日々の食卓に欠かせない卵。
その値上がりが続き、2年前のエッグショックに迫る勢いです。
27日に「イット!」が取材したのは、東京・吉祥寺に店を構える卵かけご飯の専門店「吉祥寺TKG たまごのおはなし」です。
アツアツのご飯の上にふわふわなメレンゲをのせ、そこに自家製ダレを使ったユッケと黄身をトッピング。
最後にあぶれば、「国産和牛ユッケ炙りTKG」の完成です。
27日は、全国から取り寄せた希少な卵9種類から選んで、卵かけご飯を食べることができます。
訪れた人は、「すごくおいしかったです。卵自体に味があります。コクもあるし」「高いので頻繁に食べられるものじゃない。種類があることもないからうれしい」などと話していました。
店にとって主役ともいえる卵。
しかし、卵の価格に頭を悩ませていました。
吉祥寺TKG たまごのおはなし・土山俊郎代表:
去年の春はまだ(10kg)4000円いかないくらい。毎月な感覚で100円ずつくらい上がってるイメージ。今5500円くらいにはなってます。
週末には1日200個ほど使うという卵。
値上がりは店にとって大きな問題です。
卵の価格高騰の背景には、鳥インフルエンザの影響で、卵を産むニワトリが殺処分されたことなどが挙げられます。
JA全農たまごによりますと、28日の東京の卸売価格は、Mサイズが1kg当たり340円。
これは「エッグショック」と呼ばれた2023年に迫る価格です。
少しでも卵の価格を抑えたい店は、“秘策メニュー”を考えました。
それが、わんこそばならぬ「わんこ卵かけご飯」。
少量のご飯にウズラの卵の黄身を使っています。
吉祥寺TKG たまごのおはなし・土山俊郎代表:
卵も基本的価格が安定しているウズラの卵を使っているので、原価は上がりもせず下がりもせず、バランスよく計算が立つので。
そして、卵の値上げに伴い影響を受けるのが、卵を使用した商品です。
さまざまな料理に使われる調味料、マヨネーズ。
大手メーカーのキユーピーは26日、約2年ぶりに値上げすると発表しました。
今後、卵の価格はどうなるのでしょうか。
元東京農業大学教授の信岡誠治さんは「今年の1月から、新たに卵を産むヒナの数が増えてきている。それが本格的に産み始めるのが大体半年かかるので、7月ごろになれば卵の価格は少し落ち着いてくるのでは」と推測します。