独自取材でニュースを深掘りする「シンソウ」です。5月、岡山県の研究施設で見つかった不審な爆発性の物質、その危険性について取材しました。
防護服を着た警察官によって厳重に処理される不審物。見つかったのは爆発の可能性がある「過酸化アセトン」を含む白い固形物で本来、この場所にあるはずのないものでした。
5月16日、岡山市にある研究施設岡山県工業技術センターの実験室で職員が器具を洗浄するためのアルコールを使おうとしたところ、容器の中に半透明の白い固形物が入っているのを発見しました。簡易分析を行った結果、爆発性の物質「過酸化アセトン」が含まれていることが分かり、5月22日に警察に通報しました。
専門家によりますと「過酸化アセトン」は爆弾などに使われる物質で、少量で大きな爆発が発生する可能性があるということです。
(岡山理科大学工学部 奥田靖浩講師)
「過酸化アセトンは爆薬なので 作ることが違法。(2015年の)パリの 同時多発テロでも使われた。火をつけたり衝撃を与えるなどして 物質が分解し反応が進んでいく」
岡山県によりますとこの施設で「過酸化アセトン」が製造されたり、使用されることはないということです。一方で、原材料が比較的簡単に入手できることから何者かが意図的に製造し、容器に混入した可能性もあると専門家は指摘します。
(岡山理科大学工学部 奥田靖浩講師)
「危険な爆薬となりうる原材料や毒劇物などが外に漏れない、悪意のある人の手に 渡らないよう監視することが大切」
警察は固形物の分析を進めながら爆発物取締罰則違反の疑いで捜査を進めています。