原子力規制委員会の委員が再稼働への取り組みが進む東京電力・柏崎刈羽原発を視察。IDカードの不正使用などテロ対策の不備が相次いだ問題について改善状況を現地で確認しました。

5月27日、柏崎刈羽原発を視察したのは、原子力規制委員会の長崎晋也委員です。

【原子力規制委員会 長崎晋也 委員】
「どのような対応をされているかについても、本日視察をさせていただければと思っている」

今回の視察の目的は、柏崎刈羽原発の核物質防護体制の確認です。

柏崎刈羽原発では、社員によるIDの不正使用問題や故障した侵入検知設備の放置などテロ対策上の不備が相次いで判明したことを受け、規制委員会が事実上の運転禁止命令を発出。

追加検査を経て、おととし命令が解除される際に、引き続き、是正措置やモニタリング活動など3項目を通常検査の中で重点的に確認することになっていました。

そして、東電のその後の取り組みについて問題がみられなかったとして、規制委員会は5月21日の会合で今年度は重点項目は設けず、通常の検査体制に戻すことを了承していて、27日、長崎委員は自らの目で核物質防護の体制を確認。周辺防護区域に入る際の生体認証装置や防護本部などを視察したということです。

【原子力規制委員会 長崎晋也 委員】
「重点項目含めて、色々見させていただいて、規制庁の方々からも報告を受けていたとおり、しっかりと対応していただけているようだった」

長崎委員はこう話し、東電の取り組みを評価。

一方、柏崎刈羽原発7号機をめぐって衛星電話の故障が相次いだほか、今年10月を期限に設置が義務づけられているテロ対策施設の完成が大幅に遅れていて、長崎委員は「今後も日頃の検査を通じて、気づきがあれば指摘したい」と話しました。

【原子力規制委員会 長崎晋也 委員】
「セキュリティという面でも、セーフティの面でも安全に達して、しっかりと意識を持って自律的に向上させていけるようなものであるということは、しっかりと見ていきたい」

NST新潟総合テレビ
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