気温も上がり、初夏の足音が聞こえ始めた中、海の幸にある異変が。
ホタテの価格が高騰し、今、ホタテショックが起きています。

千葉・館山市にある、新鮮な海鮮が自慢の浜焼きバイキング。
この日のホタテは青森産で、ホタテは食材の中でも一番人気だといいます。

焼き立てのホタテはずっしりとしていてプリプリ。
うまみが凝縮されています。

訪れた団体客も、大きなホタテに大満足。
人気のバイキングですが、ホタテショックに店は悲鳴を上げています。

この店では、2024年の秋ごろにバイキング料金を400円値上げ。
さまざまな食材の高騰が続く中、特にホタテの値上がり幅が大きいといいます。

漁師料理たてやま・香西淑子店長:
去年から考えると倍になってます。徐々にこう上がってきてて、というところで気がつけば…。

店によると、ホタテ1枚当たりの価格が2倍に上昇。
そのため、「矛盾して、来ていただきたいですけど食べてもらっても困る。出れば出るだけ『そんなに食べないで』と言いたいときはあります」と本音も…。

今が旬のホタテ。
街の鮮魚店でも、仕入れ価格の高騰に頭を悩ませていました。

大粒のホタテを使った串焼き。
使用するボイルホタテの価格も高騰が続いているといいます。

丸川水産・渡部正和店主:
1年くらい前だったら130円とか140円だから、(今は)1.4倍、1.5倍くらいになっている。それに従って、串焼きもやっているのでその値段も上がっている。

一体、ホタテに何が。
全国トップクラスの生産量を誇る青森では、異変が起きていました。

うずたかく積まれていたのは、ホタテの稚貝。
2024年の春に生まれ、2025年に出荷される予定だったベビーホタテでしたが、2024年11月中旬ごろから死に始めたといいます。

後潟漁業協同組合・工藤琢磨さん:
まず第一に高水温ですね。かなり去年も温度高くて。第二にプランクトン。ホタテのえさなんですけど、それがかなり不足してたみたいで。もう最悪な原因が二つ重なっちゃった。

この漁協では2025年、例年の1割しか水揚げ量がなく、9割は死滅している状況だといいます。

後潟漁業協同組合・工藤さん:
親貝がいないと、赤ちゃんが今度採れなくなると。サイクルがおかしくなるというか、復活するまで何年もかかる。

2025年のホタテの生育も遅れているといい、影響は大きくなりそうです。