ドジャーブルーのユニホームに身を包み、スタジアムのマウンドに立つ背番号17・大谷翔平選手。
ついに、その日がやってきました。
エンゼルス時代の2023年8月以来、641日ぶりにバッターとの対戦を果たした大谷選手。
まるで野球少年のように、思い切り投げられる喜びを体全体で表していました。
大谷選手:
自分がピッチャーもやっているというのを若干思い出した感じはあるので、良かったかな。
日本時間の26日、ニューヨーク・メッツとのゲームを前に、敵地シティ・フィールドで右ひじ手術以来となる実戦形式の投球練習を行った大谷選手。
最初の打者は、チームの9番打者として大谷選手の前を打つこともあるルーキー、キム・ヘソン選手。
その初球は、やや力んだのかストレートが外角高めに外れました。
その後、徐々にコントロールが安定し出すと4球目、ストレートで詰まらせピッチャーゴロ。
チームでも仲のいいキム選手を打ち取ると、グラブをたたきながら笑顔がはじけます。
次のバッターは、かつてメジャーリーガーだったコーチ。
大谷選手が本領を発揮します。
2球目がファウルになると、舌をペロッと出しておどける様子。
そしてえげつないほどの曲がりを見せた変化球で見事三振。
すると、ガッツポーズで周囲を大いに沸かせます。
続く打者にもカットボール、ストレート、スプリットなど、さまざまな球種を織り交ぜ、最後は決め球スプリットで三振に。
その後は捕手のサインに首を振るなど、より実戦を意識した場面も。
投げたあとの腕の振りを確認する場面もありました。
キム選手との2度目の対戦では、この日初めてヒット性の当たりを打たれますが、それでも笑顔。
結局、延べ5人の打者と対戦して、1安打2三振1フォアボールという結果に。
22球中12球がストライクで、最速は約156kmでした。
投球を終えると、キャッチャーとグータッチ。
笑顔のままマウンドをあとにしました。
「ステップを踏めたという点ではすごくよかったし、内容も納得できる内容だったのかなと思うので」と話した大谷選手。
“二刀流大谷”の本格復帰が予想されるポストシーズンについての意気込みを聞かれると、「もちろん楽しみにしてますし、そこの位置に行く過程の中で、スケジュール通り復帰してチームの戦力になれれば、その先が見えてくるのかなと思う」と答えました。
「イット!」MLB取材キャスターの鈴木優さんは、「やっぱり本人の投手へのこだわりも相当強いものがあると思う。そういった意味では、やっぱり楽しい登板だったんじゃないか」と話しました。
大谷選手はピッチング練習のあとの試合でも輝きを見せました。
日本人対決となったメッツ・千賀投手のストレートをライトスタンド上段へとはじき返す、先頭打者アーチ。
メジャートップタイとなる今シーズン第18号で、これでシーズン55本ペースに。
大谷選手の活躍は、この先も止まりそうにありません。