日本企業が経営するヨーロッパのプロサッカークラブが、スポンサー同士の活発な交流で新たな価値を生み出しています。
さまざまな企業が集まって行われているビジネス交流会。
実はただの交流会ではなく、ベルギーにあるサッカークラブ「シントトロイデン」のスポンサー交流会。
このシントトロイデンは、日本企業のDMMグループが経営権を取得しており、これまで多くの日本代表選手がここから名門クラブへとステップアップを果たしました。
実はこのクラブ、経営面でも日本流のやり方で、ベルギーでも一目置かれています。
サッカーの本場でもあるヨーロッパで、初めて日本企業が1部リーグのクラブオーナーに。
シントトロイデンはベルギーリーグでも昨シーズン、黒字経営をしている数少ないクラブで、収益ランキングでも3位に輝いています。
過剰な投資をするものの、収支が合わず破綻するクラブも多い昨今、その中でも安定した経営が評価されています。
シントトロイデン・立石敬之CEO:
どうしても勝ちたいが故に多くの投資をしてしまうっていうのが多いんですけど、すごく順調に私たち経営ができてるなっていうのがありまして。もちろんチームの順位もそうですけど、経済的なランキングも私たちが上位にいることで、日本人の経営者たちはしっかりしてると言われることが僕らの狙いでもあります。
クラブの収入の柱は、ベルギーでは類を見ない130を超える日本のスポンサーからの収入。
シントトロイデン・立石敬之CEO:
7年前に私たちがここに来てから外国籍のオーナーの方々が投資をされまして、今、6割7割が外国籍のオーナークラブになりました。シントトロイデンの強みは日本のマーケットですから、日本と私たちこのベルギーの両輪を、同時にマーケットを動かしていくっていうところは、今のところですけど、このベルギーリーグ他のクラブ、外国籍オーナーいる割には回せてないなっていう印象はあります。
移籍金を収益源とするクラブが多いものの、成績にも左右されるので先が不透明な部分も。
一方、シントトロイデンは遠く離れた日本のマーケットでのスポンサー収入もあり、しっかりとした基盤ができています。
しかし、なぜ海外で活動するクラブがここまで日本のスポンサーを集めることができるのか、日本でスポンサー営業に携わる緒方氏に話を聞くと…。
合同会社DMM.com・緒方悠上級執行役員:
我々が目指すのは、日本サッカーを強くしていくために、オールジャパンでやっていこうというプロジェクト理念のもとにいろいろな企業に参画していただいているので、サッカーやシントトロイデンをハブにして、企業同士がビジネスを広げていくというのが我々が目指している形です。
ユニホームスポンサーでもあり、チームの一部株式を取得したマルハン東日本カンパニーはクラブと新規事業を開始。
マルハン東日本カンパニースポーツ事業・赤尾勝CSO:
シントトロイデンと共創事業ではあるんですけども、千葉県八千代市で、ルーケストサッカースクールというサッカースクールの開校と、「マルハン×シント=トロイデンVVカップ」という少年サッカー大会を開催できてるというところであったり、弊社としても、事業として地域貢献も含めて、そういったところでメリットを生かしていると考えております。関わっている子どもたちから1人でも多くのシントトロイデンに行けるような選手が出てきてくれたら、もう、うれしい限りであります。
国内ではスポンサー同士が交流できる機会を設け、新たなビジネスチャンスの場を創出。
合同会社DMM.com・緒方上級執行役員:
交流会で実際に接点を持つことによって、新たに25社近くのアポイントをその場で取得したり、既に数百万、数千万になるような取引が始まっていたりするので、そういった部分が交流会に出るメリットの1つ。
安定した経営とスポンサー同士の活発な交流で新たな事業や価値を生み出しているシントトロイデン。
日本サッカーを強くしたい多くの人の思いが、今後もクラブをさらなる発展へと導いていきます。