熱を加えながら穀物を粉砕し「アルファ化」させる独自技術を持つ米沢市のベンチャー企業が、食品分野に本格参入する。米粉を使った商品開発に乗り出し、ニーズへの対応を目指す。
米沢市に本社を置く山形大学発のベンチャー企業・アルファテックは、山形大学大学院の西岡昭博教授が開発した、水を使わず加熱・粉砕のみで穀物のうまみを保つアルファ化の技術をもとに、2年前「アルファ米」を低コストで量産化できる機械を開発した。
当初は家畜用飼料の需要を探る方針だったが、22日の事業説明会で、米粉の製造販売や米粉を使ったレシピの開発に乗り出すことを明らかにした。
アルファテックによると、米粉の食品は非常食としての需要があるほか、粘りの調節ができ消化にもいいことなどから介護食にも導入が進んでいるという。
また、コメの価格高騰については安定していくとの見通しを示した。
(アルファテック・駒井雄一代表取締役)
「我々の考えでは、おそらく1~2年の間に沈静化していく。ある程度安定した価格に戻ると思っている。いま攻勢をかけていくのは今後伸びていくビジネスにおいて非常に重要なチャンス・ポイントではないか」
製粉にかかるコストについても独自の加工技術により市場での優位性を確保できると見込んでいるという。
アルファテックの現在の米粉の生産量は年間約5トンだが、今後、生産体制を強化し、5年後の2030年には年間4200トンの生産を目指すとしている。