2023年に山形自動車道の鶴岡市内のトンネル内で3人が死亡した事故で、過失運転致死傷の罪に問われた男の初公判が開かれました。男は「事故当時の記憶がなく覚えていません」と述べ、一部争う姿勢を示した。
過失運転致死傷の罪に問われているのは、仙台市の会社員・早坂覚啓被告(31)。
起訴状などによると、早坂被告は2023年5月、鶴岡市の山形道・田麦俣トンネル内を乗用車で走行中、前方や左右をよく見ずに対向車線にはみ出し、向かって来た車と正面衝突した。
同乗していた妻と当時1歳の長男、対向車に乗っていた女性の計3人を死亡させ、対向車の運転手にも大けがをさせたとされている。
22日、地裁鶴岡支部で開かれた初公判の罪状認否で、早坂被告は「申し訳ありませんが、事故当時の記憶がまったくなく覚えていません」と述べた。
その上で弁護側は「事故当時、意識を喪失していた可能性がある」として、起訴内容のうち「過失行為」については争う考えを示した。
一方、検察側は、前を走っていたバスのドライブレコーダーの映像を流すなどしながら、早坂被告の車が中央分離帯のコーンに接触した後、左側に寄り、その後、再び右に逸れ、分離帯を越えて衝突した当時の状況を示した。
また、「突然意識を失ったことが大学時代などにあわせて3回ある」などと早坂被告が供述した調書の内容も明らかにした。
次回の公判は7月24日に開かれる予定。