この時期になると気になる人も多い「梅雨入りはいつ?」について村田光広気象予報士が解説します。
<村田光広気象予報士の解説>
梅雨は、日本特有の気候です。夏が近づくとともに、南にある「太平洋高気圧」が勢力を強めます。一方、日本の北には冷たい「オホーツク海高気圧」が停滞するようになります。
この2つの空気の間にできるのが「梅雨前線」です。2つの空気の勢力は強まったり弱まったりするため、梅雨前線は南北を行ったり来たりしながら日本付近に1カ月以上も居座り続けます。
複数の前線で大気の流れが複雑に
21日の天気図を見てみると、前線が2本あります。九州南部にのびるのが梅雨前線です。大陸の方から冷たく乾いた空気が入っているため、日本海から東北地方にも前線が発生。空気の層が3層になっていて、やや複雑な天気図です。
大気の流れは複雑で、前線は1本とは限りません。世代交代を繰り返しながら、形を変えて現れます。梅雨入りしている九州南部は、21日は大雨になりましたが、福井県内は真夏日となりました。
その要因は、上空の暖気です。上空1500m付近で15度以上の暖気は、地上に真夏日をもたらす空気です。この暖気が関東から北陸付近まで北上したため、気温が上がりました。
大雨に備えを
梅雨前線が北陸付近まで北上してくると梅雨入りとなります。
北陸地方の梅雨入りは平年は6月11日で、2024年は6月22日でした。今年は、いまのところ、平年並みの6月中旬か、やや遅くなるのではないかとみています。
梅雨の時期の降水量はやや多くなる傾向が予想されていますので、大雨に警戒が必要です。梅雨入りはもう少し先になりそうですが、本格的な雨の季節に向けて、備えておくようにしましょう。