加速する少子化解決の糸口となるのでしょうか?厚生労働省は2026年度にも出産費用を無償化する方針を示しました。子育て世代からは期待の声が上がる一方で、どこまでを無償にするのかなど課題も多く浮かんでいます。
お母さん:
めちゃくちゃうれしいです、助かります。2人目・3人目を考えている友人もいるので本当にそう(無償化)なったらうれしいという話はしている
お母さん:
純粋にうれしい。病院選びも変わってくるのではないかなという感じがする
静岡県静岡市葵区の子育て支援センター。
利用していたお母さんたちから歓迎する声があがったのが出産費用の無償化についてです。
現在、帝王切開などを除く出産は病気やケガではないことから保険の適用外。
出産育児一時金として50万円が支給されていますが、5月14日、厚生労働省は2026年度にも出産費用の自己負担を無償化する方針を示しました。
こちらは厚生労働省がまとめた正常分娩の平均出産費用の推移です。
年々増加していて2024年度上半期の全国平均は約51万8000円と一時金の50万円を超えています。
こうした背景から示された出産費用の無償化。
無償化の具体的な方法として検討されているのが保険適用ですが、出産費用が全国で一律になるため懸念を示す専門家もいます。
日本大学医学部・田倉智之 主任教授:
コストの高い東京もあれば、物価の低い地方もあった時に、同じ価格にしてしまうと利益率が自ずと変わってくる
保険適用となった場合、それぞれの産科施設がコストを反映させた価格設定ができなくなり施設の減少につながる可能性もあるといいます。
また、お母さんたちからはこんな声も…。
お母さん:
オムツやミルクに一番お金がかかったので、そこを補助してもらえると助かる
お母さん:
静岡市は子どもにかかる病院代が一律500円だが(前に住んでいた)県では全部無料だったので0円と500円だと少し違う感じがする
お母さん:
わかりやすい子育てとしての枠のお金をいただけるのはすごくありがたいが、それで何か大きく変わるかというよりは、もう少し大きな将来に感じる漠然とした不安を解消できる方がいい
お母さん:
ほかのところで負担が増えてしまうんだったら今まで通りでもいいかなと思う。根本的に皆さんの手取りが増えればそこは解決されると思う
コメの価格をはじめとした物価高騰が続く中、出産費用のほかにも出費が重なる子育て。
共働きの家庭も増えているなか幅広い支援が求められています。