石破首相は19日、来日しているラトビアのリンケービッチ大統領と会談し、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることなどで一致した。
東欧のラトビアは、ロシアと国境を接していて、NATO(北大西洋条約機構)の加盟国。
官邸で行われた首脳会談の冒頭、石破首相はラトビアについて「欧州の安全保障、特にNATOの東部側面の一角を担い、地域の平和と安定に貢献している。それは極めて重い意味を持つと推察している」とリンケービッチ大統領に伝えた。
会談の中で両首脳は、ウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現に向けて、引き続き協力を進めていくとの認識を共有した。
また、ロシアと北朝鮮の軍事協力の進展について、北朝鮮の兵士の戦闘への参加を含め、深い懸念を共有した。
そして、拉致問題を含む北朝鮮への対応での協力を確認するとともに、東アジア情勢についても意見交換を行い、緊密に連携していくことで一致した。
さらに両首脳は共同声明を出し、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げした。
石破首相は共同記者会見で、「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障がますます不可分となる中、両国の緊密な連携はかつてなく重要性を増している」と強調。
「戦略的パートナーシップ」への格上げを「大変、意義深く思っている」と述べた。
リンケービッチ大統領は20日まで日本に滞在し、大阪・関西万博の訪問などを予定している。