経営再建を迫られている日産自動車が、神奈川県にある主力工場を含めた閉鎖案を検討。
「イット!」取材班は日産の工場とともに発展してきた町を取材しました。

先週の決算会見で2027年度までに、グループ全体で2万人の人員削減に踏み切る方針を示した日産自動車。

この週末には、計画の一環として国内で早期退職を募集することが明らかに。
加えて、2つの工場の閉鎖案も検討されています。

関係者によると、計画案として閉鎖が検討されているのは横須賀市にある追浜工場と平塚市にある子会社・日産車体の湘南工場。

追浜駅の近くにあり東京ドーム30個分以上の敷地面積を誇る追浜工場では現在、約3900人の従業員が働いています。

1961年に操業を始め、半世紀以上にわたって日産の主力工場として稼働してきました。

1980年代には、工場見学に訪れたマイケル・ジャクソンさんに当時の主力車種だった「ブルーバード」の最新型をプレゼント。
こうした工場の発展は追浜の町にも活気をもたらしてきました。

追浜に長く住む人は「みんな日産関係。商店街は羽振りがよかった」「(駅前商店街の)人通りがすごくて。すれ違うのも大変だった。日産がなくなったら、飲む人もいなくなる」と話しました。

全盛期の活気こそないものの、飲食店や理髪店などが並ぶ駅前の商店街は今も日産工場が支えになっているといいます。

弁当店:
日産の社員に電話予約でたくさん買ってもらったり(工場に)入る業者もよく買いに来るので、店としてはショック。

商店街の酒店:
やはり地域経済には大事な存在。ある程度打たれ強い部分はあると思うが、半分、希望的観測。

追浜工場とともにお祭りを開催するなど追浜の町にとって、工場は“切っても切れない関係”にあります。

一連の報道を受け横須賀市の上地市長は、会見で「60年以上に歴史を持つ追浜工場は横須賀には大変重要な存在。今後は情報が正しく発信され、日産自動車の再建が1日も早く実現し、かつての輝きを取り戻されることを願っている」と述べました。

日産は今回の件について「一部の工場の閉鎖に関する報道がありましたが、臆測に基づくもので当社から発表した情報ではありません」とコメントしています。

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