東京都内の住宅地で撮影された写真。
2つの光がこちらに向けられています。

その正体はシカ。
カメラは、夜の住宅街を走るその姿を捉えていました。

野生のシカが目撃されたのは、JR八王子駅から800メートルほど離れたエリア。

シカが発見されたのは18日の午前3時ごろ。
タクシーを運転していた男性が付近で見つけ、撮影を始めました。

シカは夜の住宅街を軽やかに駆け回ると突如、方向転換して姿を消しました。

目撃した男性は「ちょうどこの辺りで路地から出てくる感じでさまよって、ウロウロしながら車道に飛び出してきて、ビックリですよね」と話しました。

中型バイクほどの大きさだったという、シカ。

近隣住民からは「こんな駅の近くなどではあまり聞いたことがないので、びっくりした」「怖いですね。子どもたちの学校も近いですし」といった声が聞かれました。

シカは一体、どこからやってきたのでしょうか。
迷い込んだ経緯を専門家はこう推測します。

アジア動物医療研究センター・パンク町田センター長:
シカというのは毎日何十㎞も移動しますが、大概は決まったコースを移動している。そこからは外れないのが普通です。(今回は)群れからはぐれて何かの勢いで、いつもとは違うコースにシカがずれてしまったということだと思う。

さらにパンク町田センター長は「新しい道ができた時や河川工事をした時など、自然を人間が加工した時に今までシカが出没しなかった地域まで、シカが足を延ばすということが起きます。道路を歩きやすいのは人間だけではないということです」と話しました。

シカは追いかけられるなどした場合、パニックになり突進してくる可能性もあるため、むやみに近づかないことが重要だということです。