宮崎市の男性が、4月のボウリング大会で7年ぶりにパーフェクトゲームを達成した。若い頃から国体で活躍していた男性は7年前にくも膜下出血を発症。右半身に麻痺が残ったが、妻の支えを受けながら過酷なリハビリを乗り越えてパーフェクトゲームを達成した。そこには逆境に立ち向かう姿勢と、それを支える妻の献身的なサポートがあった。
7年ぶりパーフェクトゲーム達成

プロも参加して4月に行われたボウリング大会で、パーフェクトゲームを達成した男性がいる。投球真剣な表情で練習に励む、宮崎市の野崎俊哉さん(43)だ。

4月に行われた大会で、12投すべてがストライクというパーフェクトゲームを7年ぶりに達成した。

野崎俊哉さん:
支えてくれたみんながいるから、その人たちへの感謝の気持ちで出した300点(パーフェクト)。
野崎さんを襲った試練

野崎さんは若いときから国体で活躍するなど、宮崎のボウリング競技をリードしてきた。しかし7年前、その野崎さんに試練が訪れる。

くも膜下出血・・・。

一命は取り留めたが、右半身に麻痺が残った。

野崎俊哉さん:
リハビリってやっぱりしんどい。言葉を発するのも、箸とか鉛筆を持つのも、すべてリハビリなんですよ、僕は。
過酷なリハビリに取り組み、めざましい回復を見せた野崎さん。まだ右半身に麻痺があり思い通りにいかないこともあるが、「投げることができるのが一番の喜び」と気持ちは前向きだ。

野崎俊哉さん:
痺れは指先に残っている。特にくすり指と小指。最近は慣れてきたので、痺れと一生お付き合いをします。
リハビリを支えてきた妻・みゆきさん

そんな野崎さんの投球を撮影しているのは、リハビリを支えてきた妻のみゆきさん。パーフェクト達成の知らせに喜びが溢れた。

妻・野崎みゆきさん:
家で、ひとりで泣いた。泣きながらみんなに電話で教えるときに「何を言ってると?」と言われるぐらい泣いていた。

妻・野崎みゆきさん:
ボウリングがあったおかげでリハビリもしたし、弱音も吐かずに日々生活している。ボウリングがなかったら、こんなに元気にはなっていなかった気がする。少しでも長く選手として頑張ってほしい。

野崎さんは、今回のパーフェクトが、これまでの「リハビリボウリング」から「スポーツボウリング」に変わった瞬間だったと話す。

野崎俊哉さん:
もうここまで来たら2年後の宮崎国スポをねらいたい。宮崎を背負って、もう1回、選手として頑張りたい。それまでリハビリもまだ必要だし、あと2年あるので頑張る。
国スポで投げるところを妻に見せたい
大病を乗り越え再起への大きな1歩を踏み出した野崎さん。国スポ出場には妻・みゆきさんへの思いもある。

野崎俊哉さん:
妻は僕が国スポ(国体)で投げているところを見たことがないから、その姿を見せてあげるのが僕の夢。
妻・野崎みゆきさん:
期待しています。期待しながら応援できることがあれば・・頑張ってください。
野崎俊哉さん:
頑張ります!
「投げられる喜びがあるというのがうれしい」と話す野崎さん。一時は一線を退くことも考えたが、夫婦二人三脚で新たな一歩を踏み出した。
(テレビ宮崎)