日本維新の会の前原共同代表は16日の記者会見で、閣議決定された年金制度改革関連法案について、「賛成できない」との考えを表明した。
法案では、パートなどで働く人が厚生年金に加入しやすくなるよう、厚生年金に加入するために必要な「年収106万円の壁」と呼ばれる賃金要件や、従業員51人以上としている企業規模の要件の撤廃などを盛り込んでいる。
一方で、厚生年金の積立金を活用した「基礎年金の底上げ案」は、自民党内に参院選への影響を懸念する声などがあり、盛り込まれなかった。
これについて前原氏は、「今の法案については到底、賛成できない。国会の議論の中で、しっかりと我が党の考え方を述べていきたい」との考えを示した。
その理由として、「あと10年もすれば就職氷河期世代が年金受給の対象になってくる」とした上で、「基礎年金の引き上げをしっかりやらなければならないにもかかわらず、そこが抜け落ちていることは大きな問題点ではないか」と指摘した。
そして、「年金だけでは生活できないのではないかという危機感を持っている中で、引っ込めて何も対応策がないというのはあまりにも無責任ではないか」と批判した。
また、2024年6月に公表した公的年金制度に関する財政検証の結果について、「少し経済前提が非現実的ではないか。出生率にしても、外国人労働者の比率にしても、経済成長にしても極めて楽観的だ」と述べた。
さらに、会社員などに扶養される配偶者が加入する「第3号被保険者制度」について、「働く女性の意欲を阻害しかねない仕組みになっている。フェードアウトを方向性として決めるべきだ」との考えを示した。
一方で、基礎年金引き上げの財源については、「今後党内で議論していきたい」と述べた。