松江警察署は15日、特殊詐欺事件により松江市の40代の女性が200万円、20代の男性が50万円の被害にあったことを明らかにしました。ともに警察を騙る男らとの電話がきっかけとなっていて、警察は「警察が捜査のために現金を振り込むよう指示することはない」など被害防止を呼びかけています。
松江市の40代の女性は、4月25日に携帯電話に「+」から始まる番号で通信事業者を名乗る男から電話があり、「あなた名義の携帯電話番号が迷惑メールに利用されており、2時間後に電話が止まります」などと伝えられたということです。
女性が心当たりがない点を伝えると、福岡県警捜査二課の「板東豊」と名乗る男に転送され、「投資詐欺の主犯格を捕まえた所、数百万円をあなたに渡したと話しており、あなたは逮捕される」と言われたということです。
その後、指示されるままインストールした通信用アプリで会話すると、「優先捜査という無実を証明するために優先的に調査する方法がある」、「検察官と話をしてほしい」と告げられ、検察官の「沖田理子」と名乗る女と通話したということです。
女性は、「身柄を拘束されるか、一時金を預けて在宅捜査にするのか選びなさい」と言われたことから、5月2日に指定する口座に200万円を振り込んでだまし取られたということです。
松江市の20代の男性は、5月2日に携帯電話に警視庁生活安全課を名乗る女から「あなた名義の口座が使われていて、あなたが容疑者になっている」といった内容の電話を受けたということです。
その後、警視庁捜査二課の「林田」を名乗る男と指示されるままビデオ通話し、制服のようなものを着ていたことなどから本物の警察官と信じ込んだとしています。
男性はさらに「潔白が証明できなければ家宅捜索して逮捕する」、「犯罪収益かどうかを調査する優先捜査という方法で身の潔白を証明できる」、「送金した紙幣の紙幣番号から犯罪収益の紙幣が含まれているかどうか調査する」などと言われ、これを信じた男性は指定された口座に50万円を振り込みだまし取られました。
警察は、「警察が捜査のために、現金を振り込むよう指示することはなく、『あなたが捜査対象となっている』などと電話があった場合は一旦電話を切り、最寄りの警察署などに相談してほしい」と呼びかけています。