アメリカと中国は、双方が関税を115%引き下げることなどで合意しました。

今回の関税措置の見直しを中国の輸出業者たちはどう見ているのでしょうか。
世界のスーパーマーケットと呼ばれる国際卸売市場を取材しました。

中国東部の浙江省義烏市にある世界最大級の国際卸売市場。

サンタの置物やツリーを飾るオーナメントなど、ずらりと並んだクリスマスを彩る商品。
季節外れの商品が並んでいるように見えますが、実はこの市場、今がクリスマス商戦のまっただ中なんです。

世界のクリスマス用品約80%を輸出し、「世界のスーパーマーケット」とも呼ばれ、市場で働く従業員は早朝から語学の勉強を行います。

市場が開くと、クリスマス用品が集まるフロアには、朝から各国のバイヤーが詰めかけますが、ある異変が起きているといいます。

2024年の義烏市の輸出総額は日本円で12兆円近く。
その最大の輸出先はアメリカですが、取材中はアメリカ人のバイヤーの姿は見られませんでした。

店のオーナーたちは、「関税戦争が始まってからアメリカ人の客はさらに減った」「最近ではアジアの国々、ベトナム・フィリピン・韓国などの市場も徐々に拡大している」と話します。

中国全体では、4月のアメリカへの輸出は前年と比べて21%減少しています。

今回の米中の関税の見直しについては、「関税が上がった後は注文が減ったので、今後は少しずつ問い合わせや注文が戻ってくるかも」「アメリカの対応次第。私たちは、まだアメリカとビジネスがしたいと思っている」と話すオーナーがいる一方で、「(Q.関税戦争でアメリカとの取引を考え直すか?)間違いなくそうなると思う。さまざまな市場や顧客を開拓して、特定の国や地域に依存しないようにしている」と、アメリカ離れを指摘する声もありました。

フジテレビ
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国際取材部
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