静岡県掛川市の病院で患者に対してわいせつな行為をしたほか、その様子を動画で撮影した罪などに問われた小児科医について、静岡地裁浜松支部は懲役7年6カ月の実刑判決を言い渡しました。
判決を受けたのは中東遠総合医療センター(掛川市)の小児科診療部長の男(44)です。
起訴状によりますと、男は2017年から2023年にかけて当時10代だった少女4人に診療を装って服を脱がせ胸や陰部を触ったほか、4人を含む10人に対して裸やわいせつ行為の様子を動画で撮影するなどした強制わいせつ、準強制わいせつ、児童買春・児童ポルノ法違反の罪に問われていました。
5月9日午後2時から開かれた判決公判で地裁浜松支部は男に懲役7年6カ月の実刑判決を言い渡しました。
公判の中で来司直美 裁判長は「自己の性的好奇心を満たすためと認められる」と指摘した上で「医療目的やそのための資料作成のためとは到底考えられない」と断罪しています。
一方で計750万円の被害弁償を支払っていることや今後は医師として活動しないため同種の犯行に及ぶ機会がないこと、前科前歴がないことなどを減刑(求刑:懲役14年)の理由に挙げました。
判決を受け中東遠総合医療センターの宮地正彦 院長は「当院の医師が刑事事件により有罪判決を受けたことは医療に携わる者として決してあってはならない事態であり、このような事件を当院の医師が起こしたことを大変遺憾に思っており、被害を受けられた方々ならびにご家族のみなさまには心より深くお詫び申し上げます。また、市民をはじめとする関係者のみなさまに対し多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを重ねてお詫び申し上げます」とのコメントを発表しました。
中東遠総合医療センターは男の逮捕を受け、再発防止に向けた取り組みを進めていますが、改めて第三者委員会を立ち上げて、病院側の対応について検証する方針を明らかにしています。
なお、男については判決内容を精査するとともに本人への事実確認を行った後、厳正に処分する考えで、処分内容については改めて説明の機会を設けるとしています。