富士山の山開きまで2カ月。5月9日に運用が始まったのが登山に必要な手続きを事前に行う登録システムです。
鈴木櫻子 記者:
今年から富士山に登る人の義務となる事前登録。登録に使うのは「静岡県FUJINAVI」という専用のアプリです。どのような仕組みなのか実際にやってみます
アプリではまず登山する日や名前、山小屋に宿泊するかどうかを入力します。
そして、この夏から必要となる入山料4000円を電子決済で納付すると…。
鈴木櫻子 記者:
富士登山についての事前学習の画面が出てきました
禁止が呼びかけられている弾丸登山を強行し、登山道で野宿をする人たち。
こちらは2024年に富士山で撮影された映像です。
このほかにも相次ぐ遭難に、登山客の増加によるオーバーツーリズムなどが問題となっている富士登山。
事前学習を通して登山のマナーやルールを改めて学んでもらい、登山客のモラルの向上を狙います。
鈴木櫻子 記者:
事前学習をクリアしたら入山証となる2次元コードが発行されました。当日は登山道の入口でこれを提示し登山開始となります
アプリはインバウンド用に7つの言語に対応していて、登山中もGPSによる位置情報の取得や気象情報の通知を受け取ることができます。
スマホを持っていない登山客などのため、それぞれの登山口で事前登録や入山料の納付も対応していますが、県はスムーズな入山のためにもアプリの利用を呼びかけています。
静岡県富士山世界遺産課・大石正幸 課長:
事前に学習をする、行程を考えてもらう場を作るという意味でも事前登録はお願いしたい。富士山の世界遺産としての価値ももう一度認識してもらいたい
また、富士山の登山規制のための県条例も5月9日に施行されました。
条例では登山者1人あたり4000円の入山料を徴収することや県内3つの登山口では山小屋の宿泊予約がなければ通行の時間を規制することなどが定められています。
通行料については山梨側でも1人4000円を徴収し足並みがそろった形ですが、事前登録については静岡側は義務である一方、山梨側は任意。
入山規制の条件も異なるため混乱も予想されています。
県は山開きに向けて静岡側の規制の内容や入山アプリの利用について周知を進める方針です。