秋田県の南部で5月から、幼い子ども向けに横手市産のリンゴを使った菓子が販売されています。食べやすさを追求し、古里のリンゴのおいしさを知るきっかけにもなりそうで、食べてみた保育園の園児には大好評。商品には、開発に携わった横手市の女性の様々な思いが詰まっています。

横手市の明照保育園の給食の時間です。園児に横手市で栽培されたリンゴを使ったおやつが提供されました。

その名も『おやつピュレ』です。

ピュレは、野菜や果物をすりおろして、とろみのある状態にしたもの。“おやつ”と言いながらも砂糖などを使わず、リンゴ本来の甘さが引き出されています。子どもの健康増進にも良さそうです。

園児は「めっちゃうまい!」「口の中が甘くなった」「リンゴの味がふわ~となった」と話し、どうやら好評のようです。

開発したのは、横手市で特産品を使って商品を開発し県の魅力をPRする「ヨネヤ」の佐々木ひと美さんです。

佐々木さんは「リンゴのピュレが日本であまり見つけられなかったので、横手のリンゴで作ってみた」と話します。

佐々木さんは元々、フランス人の夫と3人の子どもとフランスに住んでいましたが、子どもたちに日本語や文化を学ばせるために、2024年3月に故郷の横手市に戻ってきました。

佐々木さんは「外出先でちょっとお腹がすいたとき、手を汚さずに食べられる果物、しかも砂糖不使用なものがなかなか見つからず困ったのが、作ろうと思った経緯」と話します。そして、作るなら「子どもが食べやすく、地産地消にこだわろう」と決意したといいます。

味はもちろん、自身の思いも知ってもらおうと、園児たちにピュレの魅力を売り込みます。

佐々木さんが「酸っぱい?」と聞くと、園児は「酸っぱくないよ」と答え、「じゃあ甘い?」と聞いてみると、園児はうなずいていました。

「うめぇ~」「もう1個食べたい」という声も聞かれ、園児のおいしそうに食べる表情に佐々木さんはほっとした様子を見せていました。

ヨネヤ・佐々木ひと美さん:
「すりおろしリンゴはあまり家では食べないと思っていた。たくさん『おいしい』と食べてくれて安心した」

『おやつピュレ』は、リンゴのふじ・王林・シナノスイートの3つの品種が使われ、道の駅美郷や県南部のスーパーなどで販売されています。

佐々木さんは「まずは横手の人たち、県南の人たちの生活に根付いた商品になってほしい。きょうはリンゴジュース、きょうはお菓子、きょうはピュレにしてみようかなと選択肢の一つに入れてもらい、より横手のリンゴをそのまま食べられるような機会が増えてほしい。そして県のお土産にもなってくれたらうれしい」と話しています。

秋田テレビ
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