日本人の9割が持っているといわれるスマホを巡り、このところ大手3社のある動きが注目されているんです。
8日の“ソレってどうなの?”は、「携帯業界“値下げ競争”は終了?」をテーマにお伝えします。
まずは街の人にキャリアを聞きました。
ドコモを利用:
月10万円近くだった気がします。(3人)家族で。
auを利用:
(月)8000~9000円ぐらい。
楽天を利用:
母は3000円ちょっと。前はソフトバンクでちょっと高いと思っていたので替えた。
楽天を利用:
楽天モバイルです。(データ通信)無制限で2980円ぐらい。値段気にすると楽天になります。
いろんなキャリアの人がいましたが、そんなスマホに今、値上げの波が押し寄せているんです。
4月に主要プランの値上げを発表したNTTドコモ。
6月5日から始める新プランでは、スポーツ専門の動画配信サービス「DAZN」が無料で利用できるようになるなどのメリットがある一方、3ギガ以上の利用で月額8448円(税込)。
現在の主要プランより1000円以上アップします。
そして、auブランドを提供するKDDIも7日、新しい料金プランを発表しました。
データ通信を無制限で利用できるプランなどが8月1日から330円値上げされます。
会見では、新しいプランは「空が見える状態であれば圏外であっても通信できるシステム」や「海外でもデータが使い放題になる」といったメリットがあることを強調しました。
KDDI・松田浩路社長:
価値をつくり続け、対価をもらい、パートナーに還元して、さらに投資していく。
また8日午後、ソフトバンクも会見しました。
時期は未定としながらも「価格の見直しは必要なタイミング」だと話し、値上げの可能性を示唆しました。
携帯会社大手が相次いで新サービスと同時に発表した値上げに、街の人は「(料金が)上がらないに越したことはないが、携帯は必要不可欠。上がっても使わなきゃいけないもの。しょうがない」「人口も減る中で相対的に物価が上がらないと経済が回らないので、いい環境下だと思うが、いち消費者としてはうれしくない」と話しました。
青井実キャスター:
金子さん、やむを得ないという方もいらっしゃいましたが?
SPキャスター・金子恵美さん:
物価高での便乗値上げだったらだめですけど、追加サービスでの値上げならいいのだろうと思うのと、ただ、プランをユーザーの方に分かりやすいものにしてほしいと思います。
ここ数年の間、携帯各社は値下げ競争を続けてきました。
総務省によりますと、利用者が毎月支払う推計の平均額は、2019年9月は6920円ほどでした。
それが2024年3月には約4190円になりました。
この背景にあるのは、当時の菅政権が掲げてきた携帯料金の値下げ政策です。
携帯大手3社は政府の要請に応じる形で新しい料金プランを打ち出してきたんです。
では、それがなぜ一転して値上げにかじを切ったのでしょうか。
ITジャーナリストの三上洋さんによりますと、物価高などでコストが増加したこと以外にも大きな理由があるといいます。
ITジャーナリスト・三上洋さん:
携帯電話のシステムは年々進化している。現在は5G「第5世代携帯電話」が普及の最中。スピードが速く、先進のITのシステムにも利用できる。これには非常に高いコストがかかるために開発費や基地局などの建設費がかかる。次世代の携帯電話6G「第6世代の携帯電話」の開発等も進む。携帯電話会社が、ある程度のもうけが出て、そのもうけを投資するからできるという局面がある。携帯電話料金は2020年以降非常に下がったが、さすがに新規の新しい開発費が出なくなる。そのために値上げしたという局面がある。
ただ、利用者としてはスマホの料金が安い方がうれしいが、その場合どうすればいいのでしょうか。
ITジャーナリスト・三上洋さん:
対策は、他社に移行する。特に格安スマホ、MVNO(格安SIMを提供する通信会社)に移れば、場合によっては半額以下になることもある。携帯料金は私たちの使い方、契約の仕方で自由に移動できる時代が来ている。同じ電話番号のまま料金が半分以下の格安スマホの会社もあるため、自分で選択してほしい。
今、格安スマホの他にも第4の勢力として台頭してきた「楽天モバイル」の価格が今後どうなるかに注目が集まるなど、携帯業界は戦国時代が続いています。
物価高の中、携帯会社やプランをどう見直すのかが暮らしに求められています。