ネット通販や電子書籍の普及で全国で”本屋さん”の閉店が相次ぎ、県内でもこの10年で34の書店がなくなりました。
そのなか、新たな運営スタイルに切り替えた書店が黒部市にあります。
*店内
「当店は20時より無人営業に移行いたします。20時から現金のお取り扱いができなくなりますので、お早めにお会計をお願いいたします」
*店員
「お疲れ様でした」
午後8時。店に店員の姿がありませんが…明かりはついたままです。
実はここ、夜は「無人営業」となる24時間営業の書店です。
*明文堂書店黒部店 濱松真吾店長
「お客様から『もう少し長く営業してほしい』の声」
明文堂書店の黒部店。
営業時間は午前9時から午後10時でしたが、先月4日からは24時間営業に切り替えました。
周辺には工場が多く、深夜に勤務を終えた人などのニーズもあることから、コロナ禍前は午前0時まで営業していました。
ただ、人件費が課題となっていて、今回、夜間の無人営業に取り組むことにしました。
*明文堂書店黒部店 濱松真吾店長
「首都圏では無人の本屋が増えている。新しいことに挑戦しなければという社内の声」
午後8時を過ぎると店の自動ドアが施錠されます。
お客さんの入店の様子を見てみると...。
*リポート
「スマホを操作して何か読み取っています。そして今ドアが開きました」
店員がいない夜間は、通信アプリLINEで入口に表示された2次元バーコードを読み取るとカギが開き、入店することができます。
夜間はセルフレジによるキャッシュレス決済のみで、入店時の読み取り情報や防犯カメラで盗難を防ぎます。
*客
「子供のノートを買いに来た。今子どもが(必要だと)気付いて、急いで買いに来た」
「帰りが遅いので、深夜も営業しているのは助かる」
「家事を終わらせて暇になったので来た。ネットだと数ページしか(本の中が)見られない。書店だと、深く立ち読みして購入を検討できる」
*明文堂書店黒部店 濱松真吾店長
「地元のお客様に便利になったと言ってもらえるのが1番の目標」
この1カ月、平均10人ほどが夜の無人営業の時間帯に訪れ、店は手応えを感じているといいます。
インターネットの普及で、街の本屋さんが減るなか、書店の新たな運営スタイルとして定着するか注目です。