1日、宮内庁が天皇ご一家の側近に関して前代未聞の発表をしました。
2日の「ソレってどうなの?」は、“宮内庁侍従職の職員がお手元金着服”をテーマにお伝えします。
宮内庁によりますと、20代の元職員が2023年11月から2025年3月にかけて、両陛下と愛子さまの生活費に当たる私的な「お手元金」、総額360万円を盗み出しました。
街で話を伺った人も「よく取ろうと思いつくな…。天皇家のお金、普通のお金とは意味合いが変わる。取っているときに罪悪感はないのか。それを何回もやる犯人の気持ちが分からない」「(天皇の)身の回りの世話をする方ですよね、そういう方は選ばれた方だと思っていた。なんでそんな事をするのか」「世も末だな。罰当たりなことをと思う」と驚きを隠せませんでした。
これにより、宮内庁侍従職にいた20代の元職員が懲戒免職処分を受けました。
当直勤務に入るたびに皇居内の事務室から数万円ずつ盗み出していたのです。
しかし、現金の残高と帳簿の残高が合わず事件が発覚したといいます。
帳簿や現金の適正な管理を怠っていたとして、40代の職員も減給1カ月の懲戒処分になりました。
今回着服されたお手元金は「内廷費」と呼ばれておりまして、年間3億2400万円。
天皇ご一家や上皇ご夫妻の生活費などに充てられています。
その使い道は私的に雇っている職員の人件費や、宮中祭祀に伴う費用、日常の生活費、さらに被災地へのお見舞金などです。
侍従職とは普段はどのような仕事をしているのでしょうか。
フジテレビ宮内庁担当宮崎千歳キャップに話を聞きました。
フジテレビ宮内庁担当・宮崎千歳キャップ:
365日、公私にわたって支える仕事内容。コロナなどの感染に人一倍気をつけたり、かなり緊張感・使命感を持って一生懸命活動を支えているのが侍従職の職員。担当する業務によって(ご一家との)関わり方は様々。
平成の時代には侍従職の職員がずらりと並び、現在の上皇さまと乾杯する様子や、上皇后さまのピアノの伴奏に合わせて音楽会で歌う映像が公開されたこともありました。
このような映像からもご一家と非常に距離が近いことが分かります。
フジテレビ宮内庁担当・宮崎千歳キャップ:
今の両陛下と愛子さまも身近な侍従職の職員のことはとても気にかけられていて、愛子さまや皇后さまからバレンタインやハロウィーンに職員にお菓子の差し入れがあったり、そういう形で近い職員を大切にされていると聞いている。
当直勤務に入るたびに数万円ずつ盗み出していたということですが、今回の事件はなぜ起きてしまったのでしょうか。
フジテレビ宮内庁担当・宮崎千歳キャップ:
深夜・早朝の人の少ない人目につきにくい時間帯に当直勤務という機会を活用し犯行に及んだと考えられる。両陛下や愛子さまの生活費にあたる大切なお金、それを盗み出す発想自体が考えられないこと。それが管理のずさんさにつながっていた面もある。
宮崎キャップによりますと、今回の事件に他の侍従職の職員は非常に衝撃を受けているといいます。
元職員は、「お金に困って生活費などに充てた」と盗んだことを認め、全額返済したということです。
宮内庁は、元職員を皇宮警察本部に窃盗の疑いで刑事告発しました。
この前代未聞の事件。
今後、二度と起こらないよう再発防止徹底してほしいものです。