機運は熟した。
「練馬区の悲願」大江戸線大泉学園町駅への延伸東京メトロ株売却で高まる実現性。
現在、新宿から練馬区・光が丘駅までとなっている大江戸線を大泉学園町駅まで延伸する計画が着々と進んでいる。
具体的には、光が丘駅の先に、土支田駅(仮称)、大泉町駅(仮称)、大泉学園町駅(仮称)の3駅の区間延伸だ。
都が2023年3月に検討プロジェクトチームを発足し、都の計画で整備・事業化を検討すべきと位置付けられ、今後事業許可申請、都市計画手続きへと進められる見通しだ。
一方、同時期に延伸計画が検討された有楽町線は工事に着手されるなど、大江戸線よりも進んでいる。
大江戸線の延伸について練馬区は、東武東上線と西武池袋線の間に位置する大泉学園町などのエリアが最寄り駅まで1キロ以上離れた「鉄道空白地域」となっていると指摘、住民の利便性向上などの点から延伸計画が実現するよう都に要望している。
懸念されていた事業費も東京メトロの株を都が国と同時に売却したため、その売却額の一部を充当することが可能となるなど、機運は熟しているとみる関係者は多い。
その一方で、収支採算性に課題が残っている。
東京都の担当者は、2024年11月に行われた公営企業委員会で、大江戸線沿線の検討状況について、現在将来の旅客需要や収支採算性に関する調査検討を進めていると述べ、2023年度の調査では、延伸により1日約5万人の旅客需要の増加を見込む一方、事業費は概算で約1500億円となり、収支採算性に課題があると答弁した。
練馬区では現在、新駅周辺をどのようにして賑わいを創出し、利用者を増やせるのか沿線住民とともに、検討を進めている。
大泉町(仮称)駅は、周辺に大規模公園や観光農園などがあるため、地域特性を活かした拠点の創出を検討しているほか、大泉学園町駅(仮称)は、大規模な商業施設化なども視野に検討を始めている。