今月1日に解禁されたシロエビ漁、昨シーズンは、地震による海底地滑りの影響で記録的な不漁となりました。

今シーズン、漁獲量の回復が期待されますが依然、不透明な状況が続いています。

*リポート
「午前4時の新湊漁港です。あちらに見えます定置網漁船は漁から戻ってくる時間帯なんですが、シロエビ漁船はこれから漁にでます」

明け方に行われるシロエビ漁。

24日の朝方の漁に同行しました。

*正七丸・船主 野口和宏さん
「沖合にある群れを探している。群れが動いていくスピードを確認している、ここ最近は出ていない。だから出港時間も少し早めて群れが暗いときにあるか確認する」

毎年4月1日に解禁されるシロエビ漁。

昨シーズンは能登半島地震による海底地すべりの影響を大きく受けたとみられ、漁獲量は前の年のわずか35%にとどまり、過去40年間で最も少なくなりました。

そのため資源の回復を優先し、20日にわたり、休漁しました。

今年は解禁後1週間ほどは安定して獲れ、今月上旬までの漁獲量は過去10年の平年比の74%。特に新湊は平年を上回っていました。

しかし、徐々に漁獲量が減り、水揚げが「ゼロ」となった日もありました。

*リポート
「このあたりが富山湾の急峻な海底谷・あいがめです。このあたりでシロエビの群れを探します」

シロエビは水深100メートルから400メートルに生息し、「あいがめ」と呼ばれる急峻な海底谷が漁場です。

*正七丸・滝和紀さん
「いつも魚群探知機に反応が出るまでは船で連携を取りながらエビの反応を待っている。2時間、3時間くらい探すこともある。それでも見つからないときは諦めて帰ることもある。」

*正七丸・船主 野口和宏さん
「群れがいなかったので普通の溝の中をやっている」

シロエビの群れは見つかりませんでしたが、網で引き上げてみる…。

*リポート
「今淡いピンク色のシロエビが水揚げされました」

例年、4月は漁獲量が多い時期ですが、24日朝方は、この船ではかごで1つか2つほどの水揚げでした。

*船員
「21日シロエビの顔見たっけ…全く見てない」

*正七丸・滝和紀さん
「自分がシロエビ漁をし始めてから、今年は変わったとれ方をしているので、最盛期を迎えるまでに不安と期待。」

11月まで続くシロエビ漁。今年も海底地すべりが影響しているのか。

漁の行方は不透明なままです。

*県水産研究所 三箇真弘研究員
「4月中旬下旬にかけて漁獲量が伸び悩んでいるという印象。昨年度に引き続き今年度もシロエビの調査を実施していく予定なので調査結果を漁業者に提供しながら今後の状況を注視していきたい」

4月の漁獲量は低調となっているようですが、例年、8月から9月の夏場にかけて再び漁獲量が増える時期だそうです。

先週末は豊漁を願うボンボコ祭りも行われましたし、回復を期待したいですね。

富山テレビ
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