準詐欺や窃盗などの罪に問われている元佐賀市議会議員の男に、検察は懲役8年を求刑しました。
起訴状などによりますと、佐賀市議会議員や自治会長を務めていた佐賀市川副町の川崎直幸被告75歳は、正常な判断ができない状態だった80代女性から相続金や女性の自宅を売却した代金など、現金合わせて4145万円を取ったり盗んだりした準詐欺や窃盗の罪に問われています。
また、自治会長会の会長の立場を利用し自治会長名義の口座などから46万円を着服したとして業務上横領の罪にも問われています。
川崎被告は起訴内容を認めています。
21日の被告人質問で川崎被告は、被害者に謝罪の言葉を述べ、地元に帰りたいと話している80代女性に対し、「自分の家に一緒に住んでもらって見守っていければ」などと話しました。
裁判は21日に結審し、検察側は、過去2回自己破産をしていることや競艇の場外舟券売り場近くのコンビニで150回以上、多額の現金を引き出しているなど、ギャンブルにのめり込んでいたと指摘しました。
その上で、「市議会議員や自治会長としての信頼を逆手に取った、人道に反する悪質極まりない犯行。経緯についても不合理な弁解に終始していて、反省の態度も十分とは到底言えず、多額の被害に対する弁償がなされる見込みも薄い」などとして懲役8年を求刑しました。
一方、弁護側は、社会復帰後は妻が監督することや入院しギャンブル依存症の治療を受けることを約束していて、再犯の可能性が低いなどとして寛大な判決を求めました。
判決は5月12日に言い渡される予定です。