岩手県紫波町では4月18日、2頭の親子連れとみられるクマが目撃されました。
付近の小学校では集団下校をする措置が取られたほか、サクラの名所・城山公園の入場規制はいまだ解除の見通しが立たない状況です。
紫波町で目撃が相次いでいるクマ。サクラの名所・城山公園周辺に連日出没しています。
紫波町では17日までの2日間、城山公園付近を中心に体長1mほどの成獣とみられるクマ1頭の目撃情報が9件ありました。町によりますと全て同一の個体とみられています。
こうした中、18日には公園の近くで再び目撃情報が寄せられました。
松澤凱斗アナウンサー
「日詰小学校から約500mほど離れたこの通学路で、親子とみられるクマ2頭が目撃されました。クマはあちらの茂みに逃げて行ったということです」
親子連れとみられる2頭のクマは18日午前7時半ごろ、城山公園から南西に1kmほど離れた町内で通行人が目撃しました。
これまでに人や物への被害はなく、町は17日までのクマと別の個体とみています。
通学路でのクマの出没を受け、付近の日詰小学校は児童を集団下校させる措置を取ったということです。
入場規制が始まって3日目の城山公園では、解除の時期が見通せない中で園内の約2000本のサクラがほころび始めていました。
公園では例年この時期「城山桜ウィーク」が始まり、多くの市民などで賑わう時期で主催する町の観光交流協会もジレンマが続いています。
紫波町観光交流協会 高橋松雄事務局長
「県外から『城山公園はどうか』と毎日のように電話がきている。状況はこんな感じなので『申し訳ございません』と言っている」
町ではクマの出没状況を慎重に見極めて、城山公園の入場規制の解除時期を検討するとしています。
こうした中、県はクマによる人や物への被害のおそれが高まっているとして、18日に県内全域に「ツキノワグマの出没に関する注意報」を発表し、出没情報を確認するなど十分な対策を取るよう求めています。注意報の発表は7年連続です。