草むらの中を悠々と歩くクマは、17日に秋田市内で撮影された映像です。
気温の上昇とともに冬眠から覚めたクマの動きが活発化。
列島各地で目撃情報が相次いでいます。

16日から3日連続でクマが目撃されている岩手・紫波町。

16日に監視カメラが捉えたクマの映像では、餌を探すようにゆっくりと歩いています。
撮影されたのは、桜の名所・城山公園。
ソメイヨシノなど約2000本の桜がまもなく満開になる中、クマの目撃を受け園内への立ち入りが規制されました。

紫波町観光交流協会・高橋松雄事務局長:
屋台を7店出す予定だったが結局出せない状況。今後解除になって、そのままみなさん参加してくれるのか不安もある。

公園近くの住民は「怖くて外に出られない。孫にも『きょうは外に出るな』と言われた。足が悪いから、すぐに追いつかれる」と話しました。

町は住民に警戒を呼びかけるとともに、捕獲のための罠の設置を検討しているということです。

4月に入り出没情報が相次いでいるクマ。

福島・大熊町では4月14日、イノシシ用の罠にかかっているクマを発見。
長野県では、クマの被害が相次いで発生。
16日、木島平村で90歳の女性がクマに襲われ、けがをしました。

けがをした女性の家族は「いきなり後ろからガバッとやられた。まさかこちらに(クマが)でるとは思わなかった」と話しました。

女性は腕や背中など11カ所をかまれ、病院に搬送されました。

木島平村の隣の飯山市では、4月9日に男女3人がクマに襲われ重軽傷を負ったばかりでした。

村では5カ所にセンサーカメラを設置し警戒を続けています。

4月にもかかわらず各地で相次ぐクマの目撃。

動物の生態に詳しいパンク町田さんは、「気温が上がるのが早かったため、早めに冬眠から覚めた。栄養状態が悪くて、早めに起きた子もいるが、クマは(冬眠の)日数を数えているわけではないので、気温が高ければ早くでてきてしまう」と指摘します。

冬眠から覚めたクマは食べ物を求めて活発に行動することから、一層の警戒が必要です。