カルビーが自社キャラクターを使って商品を作れる新サービス「かるれっと」を開始。ブロックチェーン技術で利用手続きを簡略化、クリエイターや一般ユーザーの参加を促進し、将来的には、キャラクターを活かしたカフェや海外展開も視野に入れ、事業の幅を広げていく。
“食べる”を越えて広がる体験!カルビーの新消費戦略
カルビーが「じゃがりこ」や「かっぱえびせん」などのお菓子のキャラクターを活用した、新たなビジネスを始める。

カルビー本社(東京・千代田区)で17日、自社で権利を持つお菓子のキャラクターをもとに、クリエイターがオリジナルの商品を制作できる新たなプラットフォーム「かるれっと」の運用開始を発表した。

これまでクリエイターはキャラクターを使用する際、様々な手続きが必要だったが、「かるれっと」では、ブロックチェーン技術を使うことで、簡素化したとしている。

今後は一般の人にも活用してもらい、幅広く消費者との接点を増やす狙いだ。

カルビー Calbee Future Labo・松本知之ディレクター:
色んなグッズを生活の中で発見していただいたり、サービスに参加していただいたりすることで、食べるというところにまた戻っていただけるところにとても大きな意味がある。
菓子市場を超えて「モノ・コト」の両面展開へ
「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
カルビーの新しいビジネスを、どうご覧になりますか。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
スナック菓子の市場は中長期的には、人口減少の影響から横ばい、あるいは縮小が予想されます。
キャラクタービジネス市場は約3兆円で、スナック菓子の約5倍もの巨大マーケットなので、ここにチャンスを見出したのではないでしょうか。
堤キャスター:
お菓子のパッケージに、「かわいいキャラクター」が描かれているものも多いですよね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
カルビーといえば、「かっぱえびせん」の「えび」、「じゃがりこ」の「キリン」などのキャラクターが販売促進の力になっており、カルビーは自社のキャラクターをあしらったTシャツなど、様々な商品を展開しています。
こうした「モノ消費」に加えて今後は、キャラクターの世界観を反映したカフェやスタンプラリーなどの体験イベント、つまり「コト消費」も可能になります。
これまでの「食べる」だけではなく、キャラクターを通じて消費者との接点の拡大や、暮らしにカルビーを置く機会を増やすことができます。
キャラクター活用でグローバル展開狙う
堤キャスター:
キャラクタービジネスの場合、国内だけではなく、グローバル市場を狙うことができるかもしれませんね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
いま世界規模でキャラクターのIP化、知的財産戦略が進行しています。この分野で日本は強く、世界のIPコンテンツの売上ランキング(総収益額)を見ると、1位のポケットモンスターは約13.5兆円も稼いでいます。
これに続く、(2位がハローキティ(約11.8兆円)、3位がくまのプーさん(約11兆円)、4位がミッキーマウス(約10.4兆円)、5位がスター・ウォーズ(約9.7兆円)、6位がアンパンマン(約8.9兆円)、7位がディズニープリンセス(約6.7兆円)、8位がスーパーマリオ(約5.3兆円)、9位が少年ジャンプ(約5兆円)、10位がハリー・ポッター (約4.6兆円))日本生まれのキャラクターが多く、ベスト10のうち、半分の5つを占めています。
※出典:TITLEMAX「The 25 Highest-Grossing Media Franchises of All Time」
堤キャスター:
日本のキャラクターが、世界で広がっていくと嬉しいですよね。
一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
カルビーは今後の成長戦略の柱として、海外市場の攻略を掲げています。海外でも認知度の高いキャラクターを有することができると、コアビジネスであるスナック菓子のグローバル化にも貢献します。
カルビーのキャラクタービジネスが、未来の成長につながることに期待したいです。
堤キャスター:
生活の中で目にする機会の多いキャラクターには、自然と親しみやすさを感じますよね。企業のアイコンにもなるIPを活かした、楽しい体験の提供に期待したいです。
(「Live News α」4月17日放送分より)