文化勲章の受章者で日本画壇を代表する洋画家、絹谷幸二さんと子供たちとの親子三人展が鹿児島市で開かれています。
タイトルは「生命輝く」。
力強くカラフルな色彩で人間や動物のモチーフがちりばめられています。
父親で洋画家の絹谷幸二さんが人間や龍の顔を描き、娘で日本画家の香菜子さんが動物の絵を手がけました。
鹿児島市立美術館で開催されている「絹谷幸二 親子三人展」。
長男で彫刻家の幸太さんも加わって、親子三人展の開催は全国でもこれが初めてです。
82歳になる父親の絹谷幸二さんは28歳でイタリアに留学し、壁に顔料で絵を描くフレスコ画を学びます。
会場には初期のフレスコ画をはじめ、長野オリンピックの公式ポスターの原画など、大胆な構図と豊かな色彩の作品が並びます。
これは2025年の新作です。
重量感あふれる桜島が描かれています。
鹿児島市立美術館 学芸アドバイザー・花山潤治さん
「本当に迫って来るような、見慣れている桜島がより近くで見られるような、そんな感覚を覚える作品。色彩も上の桜島は単調に見えるが、色々な色が混ざっている」
続いて長男で彫刻家の幸太さんの作品です。
こちらの作品は取材旅行で訪れた知覧特攻平和会館で抱いた思いが込められています。
鹿児島市立美術館 学芸アドバイザー・花山潤治さん
「長い地球の歴史の中で石が色々な物を見てきた。石から学ぶことがたくさんあると伝えたいのでは」
そして日本画家の香菜子さん。
動物の表情をモノトーンで描いた「瞳のさきに」シリーズは、動物と対峙しながら鑑賞者の心の中を映し出しているそうです。
鹿児島市立美術館の学芸アドバイザー・花山潤治さん
「内面を見るには瞳を見ることが大事。瞳の中を見て、逆に自分(鑑賞者)に返ってくる。自分と対話することを狙って描かれている」
訪れた人たちは絹谷親子3人のそれぞれのワールドに引き込まれている様子でした。
鑑賞者
「心の内を表現していてすごくパワーを感じる」
「絹谷幸二 親子三人展」はゴールデンウィーク期間の5月6日まで鹿児島市立美術館で開かれていて、4月20日には学芸アドバイザーの作品解説会も開かれます。