花咲くモダンデザイン。古い本の表紙や絵はがきなど大正ロマンのオシャレなデザインを集めた企画展が高知市で行われています。
シンプルなタッチで描かれた一人の女性と大輪のバラ。日本人初のグラフィックデザイナー杉浦非水の作品です。
三越百貨店のパンフレットの表紙に見られるモダンなデザインは非水が世に広め、大正時代の芸術界をけん引しました。
高知市の県立文学館で開催中の企画展「花咲くモダンデザイン~大正イマジュリィの世界~」「イマジュリィ」とは「デザインされた印刷物」を意味するフランス語で、大衆性の高い挿絵やポスターなどを指します。
会場には大正時代に活躍した13人の画家が手がけた603点が展示されています。
主に京都で活動し木版の絵はがきや封筒を手がけた小林かいちの作品も。
彼が描く女性の多くは表情が描かれていません。
後ろ姿や横顔が受け手の想像力をかき立てます。
会場には東京銀座・資生堂のマッチ箱のラベルなど大正ロマンの世界に浸れる貴重な作品の数々が展示されています。
県立文学館学芸員・福冨陽子主任:
「昭和レトロがはやっていると思うんですけどそれよりか少し前の大正時代、こんなにオシャレな身近な生活の中に豊かな物があったっていうのを(見て)楽しんでいただけたらと思います」
この企画展は6月15日まで開催されていて、会期中毎週土曜日には学芸員による解説も行われます。