熊本・美里町で9日、82歳男性が息子を名乗る男から「株の配当金が差し押さえられ税金未申告で逮捕される」と電話を受け、200万円要求された。
しかし、男性は不審に思い警察と協力、だまされたフリ作戦を決行。受け渡し場所に現れたスーツ姿の男が警官に取り押さえられ、詐欺未遂で現行犯逮捕された。

ニセの息子からの電話に被害者困惑

熊本・美里町で9日、カメラが捉えたのは、スーツ姿の若い男と高齢の男性。特殊詐欺の受け取り役が、男性から現金をだまし取ろうとする瞬間だ。

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しかし実は、警察が協力して行っただまされたフリ作戦だった。

事の発端は、82歳の男性にかかってきた1本の電話。受話器の向こうは、ニセの風邪をひいた息子だった。

ニセの息子は「株の配当が入ったが、税金を申告していなかった。国税に口座が差し押さえられた。200万円を支払えば、逮捕されずに済む」と話した。

被害者の男性は「本当じゃなかろうかと。『脱税』『逮捕』と言われたのが効いた。助けてやろうと思った」と話している。

しかし不審に思った男性は、警察に相談。だまされたフリ作戦を実行することになった。

フリ作戦が成功し受け取り役の男逮捕

現金の受け渡し場所に現れたのは、車で乗り付けたスーツ姿の男。

男性は、だまされているフリをして話しかけた。

その様子を息を潜め見ている警察官。そして次の瞬間、一斉に飛び出した警察官たち。車で逃げようとする男を取り押さえた。　

作戦は大成功。警察は受け取り役とみられる尾﨑泰杜容疑者（20）を詐欺未遂の現行犯で逮捕した。

組織的な犯行で金をだまし取る特殊詐欺。警察は、被害者や金融機関とタッグを組むなどして、詐欺の撲滅を目指している。
（「イット！」4月14日放送より）