大阪・関西万博は、会場内の展示に富山と様々な関わりがあります。
会場から阿部キャスターの中継です。
大阪・関西万博のシンボル、大屋根リング。
このリングに覆われた会場の中央に位置する「シグネチャーパビリオン」からお伝えします。
午後6時を過ぎて雨と風がすこし強くなってきました。
14日に予定されていた水上ショーが中止になったり、イベントが中止になったりしたのですが、6時を過ぎてからライトアップがされまして、また一段と変わった雰囲気になっています。
日中は多くの人でにぎわいを見せていました。
13日に開幕した大阪・関西万博。
14日朝も国の内外から多くの人が訪れ、世界各国の文化や最新の技術に触れ、みなさん目を輝かせていました。
さて、今回の万博、富山の伝統や食の魅力、県出身者の技術や発想が世界へ発信されています。
こちらは魚津市出身の建築士、浜田昌則さんが手がけた会場内のトイレです。
周りの壁や空間全体が地層のような形をしていますよね。
実は、3Dプリンターを使って土でできているんですよ。
人と自然をつなぐ「峡谷」がイメージされていて、パーツの一部は魚津市の作業場で制作。
万博閉幕後には土を全て自然に返すことを念頭に、セメントは使いませんでした。
環境にやさしい素材で、富山を含む全国各地の土をブレンドして作られています。
(富山・広島・淡路島の土)
また、万博会場の入口、東ゲートのそばには、射水市の企業(ジャパンフラワーコーポレーション)が、能登半島地震の復興支援につなげようと、北陸の食や伝統工芸品を集めたブースを開いています。
富山の食材を使ったお菓子や鋳物製品などが並んでいまして、来場客からも多くの注目を集めていました。
*Q.会場に北陸の品が並んでいるが?
*客
「こういうのがあると知らなかったので、パビリオンだけではなくて楽しい」
さて、今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
シグネチャーパビリオンには8人のプロデューサーが「いのち」について考えた展示が集まっています。
そのうちの1つのテーマが「いのちめぐる冒険」です。
こちらを手掛けたのは南砺市出身のアニメーション監督、河森正治さんです。
よろしくお願いします。
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
「みなさんこんばんは。よろしくお願いいたします」
*Q.かなり雨脚が強くなってきましたが、このような中でありがとうございます
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
「空気と水の、命の循環を感じますよね」
*Q.正面のシンボル、迫力がありますね
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
『人間だけじゃなくていろんな生き物が、みんなが一緒になってこの星の命をつくりあげているということを象徴するシンボルです』
では、改めて河森さんのご紹介をさせていただきます。
幼少期を3歳まで、旧・平村で過ごされた河森さん。
『マクロス』シリーズや『アクエリオン』シリーズなど数多くの作品を手がけられ、アニメーション監督、メカニックデザイナー、ビジョンクリエーターとしてご活躍されています。
*Q.いよいよ万博が開幕しました。反響はいかがですか?
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
『おかげさまですごく盛況で、たくさんの人に見ていただいて大変うれしいです』
たくさんの反響があったということで、ではまず「いのちめぐる冒険」とはどんな体験ができる所なのか、VTRをご覧ください。
まずは、超時空シアター「499秒 わたしの合体」です。
参加者はゴーグルをつけ、拡張された世界、クロスリアリティを体感できます。
*体験した人
「すごく神秘的で楽しかった」
「360度、映像をひとつも見逃せない感じ。心が動かされる。目が離せない。素敵なものを見せてもらった」
先日、私も体験させていただきました。
映像や音楽を通じて、例えば自分が魚として鳥に食べられたり、赤血球として血管の中を流れてたり…食物連鎖の一部になるような感覚がありまして、ものすごい没入感でした。
*Q.超時空シアターについて、こちらはどんなテーマで作られたんですか?
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
「命は合体・変形だというテーマだが、命は合体というのは、例えば魚を食べるならば、魚と合体していると考える。そのいろんな命が合体・変形を繰り返して、自分の排泄物も遺体もやがて新たな命になっていく。この星ではたくさんの命が合体・変形を繰り返しながら共鳴し合って作り上げている」
*Q.タイトルの“499秒”とはどんな意味ですか?
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
「太陽から光が地球に届く時間。太陽の光を浴びて暖かいな、気持ちいいなと感じた時、実は太陽の光と自分は合体しているんだと。それを感じることができたなら、499秒前、自分の一部は間違いなく太陽のなかで輝いていたと。それを実感するようなことができたならば生きていてすごくワクワクするし、もっと命を感じやすいのではないかなと思って作った」
そして見どころはほかにもたくさんあります。
心も体も踊る体験がこちらです。
その名も「ANIMA!」。
立体音響や床振動を駆使した映像体験ができ、動物の鳴き声や息遣いを立体的に感じられます。
いのちが織りなすミュージカルに全身で参加するような感覚でした。
*Q.「河森さん=メカ」と作品から連想する人も多いですが、今回”メカなし”にした理由は?
*南砺市出身アニメーション監督 河森正治さん
『メカや技術は今回表現するためのバックに入ってもらって。8人のプロデューサーとたくさんの館が展示するのを考えると、結構科学とかメカが多いだろうなと予測した。自分としては絶対に人と違うものを作りたかった。だから生き物や命そのものを表現しようと考えた』
富山でも関西万博でも命について体験していただけたらと思います。
ここまで南砺市出身のアニメーション監督、河森正治さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。
大阪・関西万博は10月13日までです。