長崎県壱岐沖で3人が死亡した医療用ヘリの事故で、国の運輸安全委員会は11日、引き揚げた機体を再調査しました。一方、亡くなった3人の死因は溺死とみられていて、海上保安部などが詳しく調べています。
10日午後6時半ごろ、唐津港で引き揚げられた機体は、佐賀市の運航会社「エス・ジー・シー佐賀航空」に運ばれました。
【大川内記者】
「午前9時前です。きのう引き揚げられた機体を改めて調べるため、事故調査官がエス・ジー・シー佐賀航空の中に入っていきます」
調査は午前11時半ごろに終わり、調査官によりますと10日に確認できなかったエンジンの細部などを詳しく調べたということです。
【運輸安全委員会事務局 奥山克也航空事故調査官】
「海水に浸かっていましたので、潮の影響だと思われますがメインローターは回すことができませんでした。ただ、目視的には(エンジンに)異常はありませんでした。総合的には見えてきている部分はありますけども、今回はここでは申し上げることはできません。総合的に全部判断をして検討いたします」
このほか、回収したエンジンの記録装置や動態管理システムなどを11日に都内へ持ち帰り、今後、データの解析など詳しく調べるとしています。
一方、海上保安部による機長への聞き取りで、飛行中に「ヘリから異音があった」と話していることが分かりました。
また、事故で亡くなった3人の死因について、司法解剖の結果いずれも溺死とみられるということです。
ヘリが着水したときには生存していた可能性もあり、海上保安部などが詳しく調べています。