人と自然の営みを映像で綴る「ジオグラフィックとやま」。
今回は南砺市で田園地帯のなかに自生する一本桜を訪ねます。


田園風景の中に満開の花を咲かせる一本の桜。

*桜を見守る人 山瀬悦郎さん
「この崖のふちに7本ばかり桜の木があったそうなんです、それが薪にしたいということで切られて、でもこの桜だけは川に張り出してたので切っても川に流れるからあかんなぁということで残ったという話なんです、この一本だけが」

川の土手に自生するエドヒガンの大木、推定樹齢100年以上、根元から7本に幹が分かれ濃いピンクの花を見事に咲かせています。

一帯の田んぼを管理する山瀬さん桜を見守ります

*山瀬さん
「ちょうど崖に生えてるので自然に崖が崩れたりするんですよ。それをもしかしたらこの後、崩れるのを止めるためになんかせんなんがでないかなぁという気はしています。ただ本当に崖なので根っこはこっちの方向いて伸びているはずなんですよ。ここに大麦植えてありますけど、あまり悪いものを植えたらあかんなとか荒らしといたらあかんなとか、色んなことを考えてはいます」

エドヒガンは、桜の野生種の一つで樹齢1000年を超える古木や名木が数多く知られています。

伐採を免れ、一本だけ残った桜は「向野のエドヒガン」の名称がつけられ、毎年花の時期になると多くの人を魅了します。

*山瀬さん
「今年は雪がたくさん降ったので、もしかして枝が折れて大変かなぁと思ったんだけど、思ったよりちゃんと咲いてくれたので安心しました。私が世話してる田んぼがこのサクラの周りに広がっているもので、そのなかで中心になって咲いてくれればいいなぁという感じですかね。当然のことながら自分の寿命よりは長いはずですから、その後もずっと見守ってくれたらいいなと思います」

生命をつないだ一本の桜とそれを見守る人、今年も美しく咲き誇ります。

富山テレビ
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