2024年、荒茶の生産量が全国1位になった鹿児島ですが、9日は鹿児島市で新茶の初取引が行われ、1キロ当たりの平均価格が2024年を270円近く上回りました。
関係者は全国一の快挙を受けた“かごしま茶”への注目の表れと喜んでいます。
鹿児島市南栄の「かごしま茶流通センター」で行われた新茶初取引会。
種子・屋久や南九州市など、4市3町の茶どころから79点、約3900キロの茶葉が出品されました。
大城哲也記者
「全国に先駆けて新茶の入札が始まりました。会場には、この時期ならではの茶の香りが漂います」
「茶商」と呼ばれる21社の目利き人が、茶葉の手触りや香りを確かめたり、茶を口にするなどしてそれぞれの茶の値段を決めていきます。
茶商
「良い(出来だ)と思う。天候にも恵まれて」
2024年、県内で生産された荒茶の量は1959年の統計開始以来、初めて静岡を抜き全国一に。
かごしま茶への注目度アップと茶商の期待も高まります。
茶商
「値段的にも良い価格になり、販売に結びつけられれば最高の年になる」
初取引会の入札結果は2024年より出品数や量は少なかったものの、1キロ当たりの平均価格は4137円と、2024年を268円上回ったということです。
県茶業会議所では「全国一となったことで、茶商らによるかごしま茶への引き合いが高まった表れ」と見ています。
その一方で、ここへ来て気になるのがアメリカのトランプ大統領による相互関税の発動です。
県によりますと、2023年の鹿児島の茶の輸出額約32億6000万円のうち、8割ほどをアメリカが占めています。
県茶業会議所では関税の影響を懸念するとともに、政府による交渉など今後の展開に注目しています。
県茶業会議所・柚木弘文会頭
「外国との交渉ごとなので、我々が実際にその関税の部分でどうのこうのとアメリカ政府と語ることもできないので、食料安全保障という観点からも政府には、しっかりとした交渉を期待している」