全国的に感染が拡大している『百日ぜき』。
国立健康危機管理研究機構によると、今年初めから3月23日までに4100人の患者が報告され、去年1年間の4054人をすでに上回っている。

感染力が強く、特に幼い子供が感染すると重症化しやすく、最悪の場合死に至るおそれもあるということだ。
一方で、百日ぜきと確定するには抗体検査などが必要で、症状だけで判断するのは難しいといわれている。
4月7日放送の関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」では、感染症を専門とする宮下修行医師に百日ぜきの症状や感染予防策について詳しく聞いた。
感染拡大中の百日ぜきには3つのポイントがある。
▼せきが激しい
▼感染力はインフルエンザより強い
▼ワクチン接種と基本的な感染対策を

■忘れた頃に発作性の咳が2、3カ月持続 中にはあばらが折れることも
まず症状から見ていく。初期は普通の風邪症状で始まるようだ。これが約2週間持続する。ただ、中期になると発作性、そして痙攣性のせきが出てくる。あとは微熱で2、 3週間続くということだ。
さらに後期には、忘れた頃に発作性のせきが2、3カ月持続し、中にはあばらが折れることもあるということだ。

■百日ぜきは1人の人間から16人以上に感染する可能性 インフルエンザの約10倍
感染力はインフルエンザより強いということだが、関西医科大学の宮下教授によると、インフルエンザは 1人の人間から1人か2人くらいの人間に感染するが、百日ぜきは16人以上に感染する可能性もあり、インフルエンザの約10倍、はしかに匹敵するとんでもない感染力だということだ。
ひとたび感染が始まると、多くの人に感染が拡大してしまうことになる。

ジャーナリスト 風間晋さん:すごく心配なんですが、同時に今、せき止めや解熱剤、痛み止めだとか、症状を緩和するための薬が意外と不足しているという話があるじゃないですか。
感染症が広がるのはもう海外との交流が深まればやむを得ないというのは分かっているわけだから、薬の供給は何とかできませんかと思いますよね。

■『混合ワクチン』の接種やマスクや手洗いなど基本的な対策が有効
続いて対策について。まずはワクチンだという。
子供のころに、だいたい接種しているであろう『混合ワクチン』に百日ぜきも含まれているということだ。
特に子供は重症化しやすいので、きちんと混合ワクチンを受けておくことが大切だ。あとは基本的な感染対策、マスクや手洗いなども有効だという。

百日ぜきだけでなく、インフルエンザやコロナなどさまざまな感染症があり、コロナ禍からはすでに5年がたっている。
ジャーナリスト 風間晋さん:もう絶対に油断しているんだけれども、基本的な感染対策ってウイルスがどんなものであれ、効きますよね。
基本的な感染予防対策を心がけることが何よりも大切だ。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年4月7日放送)
