ここ最近、価格の上昇が顕著で全国ニュースなども取り上げられているキャベツですが、その価格は今、どうなっているのか。
青果市場、スーパー、そして農家を取材しました。
午前6時半。
多くの野菜を取り扱う鹿児島市の中央卸売市場はもう動いていました。
セリが始まります。
秋から冬にかけて出荷される秋冬作と呼ばれる品種のキャベツから春キャベツへと移行するこの時期、キャベツの取扱量は通常の半分となります。
セリもアッという間に終了しました。
このほかにも倉庫には個別の顧客に販売するキャベツが。
田中慎介記者
「こちらの倉庫では今日、約10トンのキャベツが管理されていて、春キャベツの割合が増えてきています」
こちらは卸売業者の鹿児島青果で取引されたキャベツの価格を、月ごとに前の年と比較したグラフです。
2024年の猛暑に伴う作付けの遅れや高温障害で病気が増え、キャベツの収穫量が減った結果、11月以降は前の年の1.9倍から3.6倍の高値で推移していたことがわかります。
しかし、2024年12月に1玉350円から400円ほどだったキャベツは、最近では150円から180円での取り扱いになっているということです。
鹿児島青果 野菜部・九万田耕生部長
「今後は気候も安定して暖かくなっているから、入荷は4月中旬以降はしっかりしたものが入ってくるので例年並みの相場になると思う。やっと一息付けたかなと」
青果市場で安定の兆しが見えてきたキャベツ価格。
消費者が直接手に取るスーパーではどうなっているのか。
2024年11月、税抜きで1玉480円のキャベツもあったこちらのスーパーでは、7日は298円で店頭に並んでいました。
来店客の反応は…!?
来店客
「1玉で298円だったらかなり安くなっていると感じる」
「無駄をなくして全部使い切れば決して高くはないのでは」
店によりますと、実は先週半ばには、キャベツはさらに198円まで値を下げていたといいます。
城山ストアーフレッセ高見馬場店 青果担当・川畑 文昭さん
「3月からだんだん春物のキャベツが値下がりして安くなったが、ここに来て数が減って(価格が)上がっている。野菜は全般的に安くなっているので、また出てきたら値段は下がると思う」
それでは、キャベツ畑の現状はどうなっているのか?鹿児島県鹿屋市のキャベツ畑を訪ねました。
農作物の生産・販売を手がける サンフィールズ・久木田 敬一社長
「最高ですね。最高の出来。これ以上はないと思います」
畑には丸々と大きなキャベツが育っていて、収穫の時を待っていました。
約40ヘクタールの畑でキャベツを栽培している久木田敬一さんです。
久木田さんは、1月から5月のシーズン中、ほぼ毎日キャベツを収穫していますが「ここにきて、良い出来になった」と、声を弾ませます。
農作物の生産・販売を手がける サンフィールズ・久木田 敬一社長
「気温の日較差、寒暖差が大きなプラスの要因として順調に育っている。今までみたいな高値はないと思うが、極端に下がるかというとそうでもない。買いやすい、買うことができる単価に落ち着いていくのでは」
高くて手が出なかったキャベツですが、春の足音と共にぐっと、食卓に近づいて来そうです。