玄界灘の洋上で、フロートにつかまりながら助けを待っていた人々。

そのすぐ下には、救急患者らを運ぶ医療搬送用のヘリコプターが沈んでいるのが見える。
ライブカメラに事故直前の機体?
患者らを乗せた6人乗りの医療搬送用ヘリが消息を絶ったあとに海上で見つかり、3人が死亡した6日の事故。

この事故直前の午後1時半ごろ、長崎県の対馬空港からヘリが飛び立つ様子が、同空港のライブカメラに映っていた。

機体は、福岡市の福岡和白病院に向かった医療搬送用ヘリとみられ、機内には86歳の患者や患者の付き添いの家族、そして医師ら6人が乗っていたという。

しかし離陸後、ヘリは消息を絶ち、約3時間半後、空港と病院のほぼ中間地点あたりの海上で転覆した状態で発見された。

事故翌日(7日)の長崎・対馬沖上空からのリポートでは、海中に完全に転覆した状態でヘリコプターが沈んでいるのを確認できた。
その上部には、黄色いフロートも見える。
患者と家族、同乗の医師の3人が死亡
この事故で、ヘリの機長、整備士と女性看護師の3人は意識がある状態で救助されたが、患者(86)とその家族(68)、そして同乗していた医師(34)の3人が死亡した。

離島の救急医療の現場では、医療搬送用ヘリが重要な役割を果たす。
今回搬送していた患者についても、福岡和白病院は会見で「緊急を要する状態であったというのは間違いない」とした。
運航会社は昨年も墜落死亡事故
同病院では、約15年前から今回事故のあったエス・ジー・シー佐賀航空に搬送を依頼していた。
しかし、この運航会社をめぐっては、運用する別のヘリが2024年7月にも墜落死亡事故を起こしていた。

エス・ジー・シー佐賀航空によると、「(2024年7月の)事故後、社内においてすべての機体の健全性の確認。それとパイロットの教育・技量の確認を実施。安全性は保てるだろうと(判断し運航を再開した)」とのことだったが、再び事故が起こってしまった。
事故2日前の定期点検では機体に異常はなく、また不時着水の原因は今のところまだ判明していないという。

今回の事故を受け、国交省の運輸安全委員会は現地に調査官を派遣し、入院中のヘリの機長らから話を聞くことにしている。
(「イット!」 4月7日放送より)