例年の東京ならスギの花粉はピークを過ぎて少なくなり、代わってヒノキの花粉がピークとなる時期であるが、今年は寒の戻りの影響で、スギ花粉のピークがまだ終わっていないようだ。

“まだ飛んでいない花粉”がたくさん…

桜が満開になると、スギの花粉はおさまり、ヒノキと主役交代となる。ここ数日、雨が続いて、花粉の少ない状況が続いたので、「もう終わりかな?」と期待した方もいらっしゃるのではないだろうか?

しかし、今シーズンの飛散予測最大値に対して、現時点でまだ5割程度しか飛んでない。予測最小値と比較しても、まだ6割程度だ。このため、まだ飛んでいない花粉がたくさんあり、このあと雨が止んで、気温が上がる週末から来週にかけては花粉が猛威を振るうことが考えられる。

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今年は飛散開始が記録的に早かったが、実は本格的な飛散(1平方センチあたり1日10個以上)になるまで飛散開始から1カ月以上要した。これは統計開始以来の記録的な長期間だった。2月は最長と言われた寒波の襲来が2回あり、3月も桜開花の前後に寒の戻りがあり、花粉の飛散が抑えられた。このため、まだ飛んでいない花粉がたくさん残っていると思われる。

ヒノキ花粉のピークも遅れているとみられ、気象協会によると、来週も連日、東京の花粉は最大ランク「極めて多い」という予想だ。例年よりも遅いピークとなりそうで、花粉症の方にとってはまだ対策が欠かせない。ヒノキの花粉症がある方は今月下旬にかけて引き続き注意してほしい。
(フジテレビ気象センター 三井良浩)

三井良浩
三井良浩

気象キャスター、プロデューサーを経て、2024年にフジテレビを定年退職。現在、フジテレビ気象センターでシニアエキスパート勤務。モットーは、災害から国民の生命と財産を守るための情報を届ける。気象予報士。