食後の血糖値の上昇を抑えることが期待される秋田県立大学が開発したコメ『まんぷくすらり』が、コメの品種としては初めて機能性表示食品として登録され、携わった研究者が喜びを語りました。

『まんぷくすらり』は、秋田県立大学の藤田直子教授の研究グループが開発したコメの新品種で、食後の血糖値の上昇を抑えることが期待されています。

研究グループが2024年4月に『まんぷくすらり』を「機能性表示食品」として届け出たところ、消費者庁からコメの品種として初めて登録されました。

秋田県立大 生物資源科学部・藤田直子教授:
「登録されて非常にうれしい。医学的な知識や専門用語など、最初は何も分からない状態からスタートしたので非常に苦労した。ようやく機能表示ができるようになったというのが今の感想」

『まんぷくすらり』は現在、湯沢市や潟上市などで栽培され、県立大学の教授が役員を務めるベンチャー企業が精米やグラノーラなどとして販売しています。

気になる食感について、藤田教授は「非常に硬いです。炊き立てで炊飯器を開けた瞬間はいいが、温度が下がっていくと硬くなって、炊き方を失敗したコメじゃないか、芯が残っているコメじゃないかと言われる」と苦笑いしながら答えていました。

3月24日に開かれた試食会では『まんぷくすらり』をおいしく味わってもらおうと、学生たちが考案したリゾットや雑炊が振る舞われ、大学の関係者がその味を確かめていました。

大学の女性職員は「おいしい。硬いと聞いていてそのイメージで食べたが、その割には食べられる。普段食べているコメから置き換えて食べたいと思った」と話していました。

試食した福田裕穂学長は「あきたこまちやサキホコレなどのおいしさと比べると少し違う。健康のために食べるコメで、そういう中ではとてもおいしい」と期待を込めていました。

藤田教授は「血糖値が気になる人や高齢者に食べてほしい。毎食食べるのではなく、白い普段のご飯の一食をこのコメに置き換えたり、普段のコメに混ぜたりして習慣になってくれたらうれしい」と話しています。

『まんぷくすらり』は食物繊維と似た働きを持つでんぷんがあきたこまちの約10倍含まれていて、藤田教授らは腸の調子を整える作用の面でも機能性表示食品を目指していきたいとしています。

秋田テレビ
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