2日朝の栃木・宇都宮市では、横殴りの雨で屋台ののぼり旗が大きく揺れていました。
市内では最大瞬間風速17.8メートルの強風を観測。通勤する人たちは傘を斜め前に倒し、雨と風を耐えしのいでいました。
強風の影響は、見頃となっているシダレザクラにも。
前線を伴った低気圧が日本の東を発達しながら北上し、関東の広い範囲で強い雨となりました。
茨城・水戸市でも激しい雨となり、車が水しぶきを上げ走行する様子が見られました。
茨城県内では4月として5年ぶりに大雨警報が出されました。
午前7時過ぎの神奈川・川崎市の武蔵小杉駅前は、冷たい雨交じりの風が吹いていて、通勤途中の人の傘も風によって揺れているのが分かります。
強い風に傘があおられ、耐えしのぐ姿も。
2日朝の東京・大井町駅でも、傘を手に持ち職場などへ向かう様子が見られました。
この傘を巡って、東京都がある動画を公開しました。
それは「傘による危害、ヒヤリ・ハットに注意!」というもので、傘の横持ちの危険について注意喚起する動画です。
階段やエスカレーターを横持ちで歩くケースでは、傘がマネキンにぶつかると、額部分にとがった部分が当たり、大きくのけぞります。
この衝撃は厚さ1.6mmのガラスが割れるほどだとみられています。
また、東京都はこの衝撃力を測定。
振り子装置に傘を横向きに固定して、45度の角度で振り下ろしたところ、その衝撃力は最大240kgf程度。
ピアノ1台分に相当したということです。
傘の先端に力が集中するため、体に当たると失明や骨折などの重傷を負う可能性があるとしています。
実際に2日朝の駅周辺を取材すると、根元を持って傘の先を後ろに振り回すような感じで歩いている人の姿もありました。
人の往来が多い駅のホーム上でも、先端部分が後ろに降り上がるように横持ちしている多くの人がいました。
この状況で階段などを上ると非常に危険です。
一体なぜ傘の横持ちをするのか街で聞くと、「ラクなんすよ。(Q.『子供に当たると危ない』との声が)おせっかいですね。(人混みでは)そういうふうに持たなければいい」などの声が聞かれました。
専門家は、この時期は特に注意が必要と話します。
マナー美人塾・井垣利英塾長:
新社会人になった人たちが今たくさん街にいる。人が多いからこそ人への心遣いを意識していただきたい。(傘を)自分の体に近づけて、まっすぐ下ろして持つことを意識してほしい。
この雨と風で心配されるのが、見頃を迎えた桜の状況。
1日夜の東京・渋谷、ライトアップされた桜並木。
横殴りの雨を耐えしのぐ桜の花の様子が見られました。
一夜明けて見てみると、地面に散った跡もありますが、見上げるとまだまだ桜はきれいに咲き誇っていて、見頃は続いていました。
一部の桜が散ったものの、この周辺は2日前の満開から日が浅いため、雨や風の影響を受けにくかったようです。
見頃の桜はいつまで続くのでしょうか。
渋谷駅前共栄会・青山強志会長:
雨が降って気温が下がったから、ちょっと長持ちした。土日まで、土曜日まで持つかな。
東京は3日まで花冷えが続き、4日(金)から花見日和となる予報です。
一方、この雨と風にもかかわらず、週末に見頃のピークを迎えるのが栃木・宇都宮市の桜です。
宇都宮観光コンベンション協会 観光振興課・小又正邦主査:
雨が降ると大抵散ってしまうんですけれども、気温が低いこともあって、まったく散らずに満開に向けて順調に進んでいるようです。
宇都宮市内の桜はちょうど満開前だったことから、桜が散らずにこの週末に満開の見頃を迎えるということです。
宇都宮観光コンベンション協会 観光振興課・小又正邦主査:
今週末に見頃を迎え天候も回復しそうなので、ぜひお越しいただきたいと思っています。