元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルに端を発した、フジテレビの一連の問題。フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスは、3月31日午後、第三者委員会の調査報告書を公表し、第三者委員会は中居氏と女性からのヒアリングをもとに、性暴力があったと認定した。これまでの経緯をまとめた。
“中居氏と女性のトラブル”報道…批判受けた「1回目の会見」
問題が発覚したきっかけは、一部週刊誌が“2023年に中居氏と女性の食事会の場でトラブルがあった”などと報道したことだった。中居氏は関係者に謝罪し、2025年1月23日、ファンクラブサイトで芸能界からの引退を報告した。

これに対し、フジテレビは1月17日に当時の港浩一社長らが会見を開いた。ここで明らかにされたのは、トラブルの発生直後に事態を把握しながら、1年半にわたって中居氏の出演する番組を継続していたという事実だった。
本来必要なコンプライアンス部門への報告をせず、社内のガバナンスが機能していなかった点も批判も受けた。これについて港前社長は、「女性のプライバシー保護が頭にあり、最終的に私が判断した」と説明した。
最初の会見を行った際、加えて大きな問題とされたのが、会見のあり方そのものだった。出席を許されたのは一部のメディアで、カメラ撮影も認められなかったことから、フジテレビの対応に批判が殺到。企業の間でCMの放送を見合わせる動きが一気に広がった。

フジテレビの親会社の株主であるダルトン・インベストメンツは書簡を送付。日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置や、すべてのメディアが参加できる記者会見を開くよう求めた。
最終的にフジテレビは第三者委員会の設置を決め、3月末をめどに報告書が提出されることを発表。1月27日には2回目となる、いわゆる“やり直し会見”を開いた。
“やり直し会見”…経営陣刷新、日枝氏退任
2回目の会見は参加メディアを限定せず、オープンな形式で時間無制限で行われ、191媒体437人の記者らが出席した。会見時間は10時間24分に及んだ。

会見では幹部社員が関与していたと報道されたことについて、フジテレビは一貫して当該の食事会への社員の関与を否定。当初、「社員が誘った」と報じた文春側もこの会見の当日に記事を修正し、後に訂正した。
一方、会見では中居氏のトラブルをめぐる経緯のほかに、経営責任などの質問も相次いだ。
なかでも繰り返されたのは、長年経営トップを務めてきた日枝久氏の責任や進退に関するものだった。

そして3月27日、フジテレビは臨時株主総会と取締役会を開き、経営陣を大幅に刷新することを発表。取締役の数は22人から10人に減らし、日枝取締役相談役は退任となった。
フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長は、今後の日枝氏の影響力について問われ、「私の印象として、もしそういう懸念があるなら、こういうかたちで人事はできなかったと思う。だからそれが証しだと思います。影響は受けていないですから。この人事をつくるにあたって」と答えた。
(「イット!」3月31日放送より)