日本から誘い出した高校生を、ミャンマーの犯罪拠点に連れ去ったとされる日本人の男。
FNNは、2人の合流場面をとらえた新たな動画を入手した。

藤沼容疑者と高校生が空港で合流する防犯カメラ映像

ミャンマーとの国境に近いタイ・メソト空港に設置された防犯カメラの映像の画面右から現れ、手を挙げて誰かに合図を送る黒いリュックの男。

タイ・メソト空港の防犯カメラに映った藤沼登夢容疑者
タイ・メソト空港の防犯カメラに映った藤沼登夢容疑者
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この男が、藤沼登夢容疑者(29)。
その合図に応じ、後ろからついていくのが、藤沼容疑者がタイに誘い出した宮城県の高校生。
2人はオンラインゲームを通じて知り合い、この時、合流したとみられている。

藤沼容疑者が誘導する先にやってきた白い車。
2人はこの車に乗り込み、空港をあとにした。

その後、高校生は、タイと国境を接するミャンマーの犯罪拠点に連れ去られ、特殊詐欺に加担するよう強要されたとみられている。

1月には中国の俳優がタイで拉致され特殊詐欺に加担させられる事件も
1月には中国の俳優がタイで拉致され特殊詐欺に加担させられる事件も

ミャンマーでは詐欺グループの活動が活発で、1月には中国の俳優がタイで拉致され、同じく特殊詐欺に加担させられる事件が起きている。

タイ警察幹部「日本人約20人がいまだ犯罪拠点周辺に」

ミャンマーの犯罪拠点からは、これまでに7000人以上の外国人が解放され、日本人の高校生2人が保護されたほか、男8人が拘束された。

FNNの取材に応じたタイ警察人身売買対策センター長のタッチャイ氏によると、今なお、2つのグループの日本人約20人が拠点周辺に残っているという。

タッチャイ氏はこう話す。「私たちの捜査で、日本人をだますグループが今も活動していることが判明しました。日本のグループは2つあります。1つのグループは約10人で構成されています。私たちが得たもう1つの情報としては、拠点で働いている人のほとんどが帰国したくないと思っているということです」。

犯罪行為を強要されている場合、 SNSなどを通じて家族らと連絡を取ることは可能だが、日本人を含むグループで助けを求めている人はいないという。

タイに高校生を誘い出した藤沼容疑者についても、 タイ警察は新たな情報をつかんでいた。
藤沼容疑者は偽名を使っていたほか、周辺の国を頻繁に行き来していたという。

タイ警察人身売買対策センター長・タッチャイ氏:
彼(藤沼容疑者)が少年をだますために使った名前は「ゲン」です。彼はミャンマーとカンボジアを常に行き来していたことが分かっています。

藤沼容疑者は現在、タイの首都バンコクの入管施設に収容されていて、 近く日本に強制送還される見通し。
タイ警察は、藤沼容疑者とカンボジアなどを拠点とする日本の犯罪グループのつながりについても調べを進めている。
(「イット!」3月17日放送より)

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