「新宿警察署」の代表番号をかたるニセ電話が急増しており、14日までの4日間で約550件の相談が寄せられているという。実在の番号が画面にそのまま表示され信用しやすいため、警視庁は相手の所属や名前を確かめた後、一度電話を切ってから最寄りの警察署へ問い合わせるよう呼び掛けている。

新宿警察署の番号偽装する新たな手口の特殊詐欺か

着信するとスマートフォンなどの画面には電話番号が表示されるが、最近新たな手口でニセ電話が相次いでいるという。

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テーマは、「特殊詐欺、着信画面に実在の警察代表番号。ソレってどうなの?」だ。

ニセ電話が急増している。それは「新宿警察署の番号から電話があった」というものだ。

新宿署には、14日までの4日間で約550件の相談が全国から寄せられているという。今回、新たな手口の特殊詐欺の可能性が高いとして、警視庁は注意を呼び掛けている。

SNSにも「新宿警察署からの偽電話に気をつけて!」「電話に出たら途中から怪しかった」といった、体験者が注意を呼びかける投稿が相次いだ。

これまで特殊詐欺では、国際番号(『+《プラス》』から始まる番号)が表示されるケースが多かったが、今回は国内からの発信に見せるよう、実在する警察署の電話番号が表示されている。

13日の朝、「新宿警察署」の電話番号からかかってきて「電話に出た」というAさんに話を聞いた。

「新宿警察署」の番号からの電話に出たAさん:
私の住んでいる場所は札幌なんですが、番号を確認したら「警察新宿署」と出たので、心当たりはなかったけど、とりあえず出ました。「警視庁」と名乗られて「奈良県警から捜査依頼がありまして、心当たりありますか?」と聞かれて、私の口座が「不正利用されている、犯罪に使われている」という電話でした。

一方、愛知県に住むBさんは、かかってきた電話には出ず、その後かけ直したという。

「新宿警察署」からの番号に折り返したBさん:
警察署からなぜ電話が?と思って、折り返しました。そうしたら警察の方が出て「そういう詐欺が今あるから、今後かかってきても出ないように」と話がありました。詐欺がパワーアップしすぎじゃないかと、すごく怖いと感じました。

かかってきた電話に出た場合、相手は詐欺の犯行グループとみられる人物の恐れがある。Bさんは、着信に出ず表示された番号に折り返したため、本来の新宿警察署につながったという。

新たな手口とみられる詐欺電話について、街の人たちに話を聞いた。

街の声:
怖いです。分からないです。見分けがつかなくて。

街の声:
多分(電話に)出てしまうと思います。「何だろう」と思って。

街の声:
知らなかったです。なおさら出るのが怖いです。かけ直すというよりか、問い合わせの窓口に自分からかけるのが一番安全なのかと思います。

一方で、こんな声もあった。

街の声:
最近、警察から電話がかかってきて、落とし物だったんですが(電話を)いただきました。「何かあったかも」と思うので、(電話に出るか出ないか)難しいところだと思います。

一旦電話切り最寄りの警察署に相談を

青井実キャスター:
新たな手口、怖いですね。

SPキャスター中村竜太郎さん:
怖いですよね。「新宿警察署」って書いてあったら、自分に心当たりがなくとも、家族に何かあったんじゃないかとか、事故にでも巻き込まれたんじゃないかと、そういう心配がありますよね。ますます、この手の手口が巧妙化している印象があります。

青井キャスター:
今回のケースは、かけてきた側が着信画面に「新宿署」と表示するよう、何らかの技術を用いているとみられます。元警察庁サイバー捜査課の棚瀬誠さんに、この新たな手口について伺いました。

元警察庁サイバー捜査課長・棚瀬誠さん:
いわゆるIP電話を活用した「スプーフィング(なりすまし)」。最近では、発信者情報や番号を発信者側が操作できるアプリの開発がなされていると聞いたことがあります。

青井キャスター:
棚瀬さんは電話に出なかったとしても、その後も詐欺に狙われる可能性があり、注意が必要だと指摘します。

元警察庁サイバー捜査課長・棚瀬誠さん:
相手側に新宿警察署からの電話だと認識させることからスタートします。新宿警察署だと分かると2回目の電話に出てしまう。電話に出てもらう糸口、きっかけを作るには、こういった手口が容易に犯行に使われています。

警視庁は、警察を名乗る者から電話があった場合は、相手の所属や名前を確認して一旦電話を切り、最寄りの警察署に相談するよう呼び掛けている。
(「イット!」3月14日放送より)

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