18歳未満に対する不同意わいせつなど性犯罪の検挙事件は、去年4850件にのぼり、過去10年で最多となりました。このうち、SNSがきっかけで被害に遭った小学生が10年前の3倍以上に増えています。
▶なにげない投稿が事件に
警察庁によりますと、去年1年間で、18歳未満の子どもが被害に遭った不同意わいせつや児童買春など性犯罪の検挙事件は4850件にのぼり、2年連続で増え過去10年で最多となりました。警察庁は、強制性交罪が不同意性交罪に改められるなどして、性犯罪の規定が見直されたことで、被害申告がしやすくなったことも要因の1つと分析しています。
子どものスマホ利用が広がるなか、SNSがきっかけとなり性犯罪や略取誘拐などの被害に遭った子どもは1486人で5年連続で減少したものの、このうち小学生は136人にのぼり、10年前の3倍以上に増えています。
SNSがきっかけとなった事件について、警察庁が分析をしたところ、被害に遭った子どもと被疑者が知り合うきっかけとなった最初の投稿者は、約7割が被害者であったことがわかりました。被害に遭った子どもが投稿した内容では、約半数が「プロフィール」「日常生活」「趣味」など何気ない投稿でしたが、一方で約2割は援助交際の募集でした。警察庁は、なにげない内容であっても住んでいる場所や通っている学校など、個人が特定されるような投稿はしないよう注意を呼びかけています。
▶オンラインゲームに注意
オンラインゲームがきっかけで性犯罪などの被害にあった18歳未満は去年98人にのぼっていて、ここ数年で増加傾向にあります。被害者98人のうち8割は小中学生で被害別では、児童ポルノ製造などの被害者が最も多く35人、その次に多かった被害は不同意性交等で23人でした。
▶加害者の半数は10代
去年、児童ポルノ製造などで検挙された1424人のうち、約半数が10代で、このうち約8割は中高生でした。警察庁は「いじめの一環で裸の写真を撮影して送らせる事件や、軽い気持ちで自分の体を撮影し投稿するようなケースもある」と述べています。