岩手県大船渡市の大規模な山林火災は、発生から2日経った2025年2月28日も延焼が続いています。過去に大規模な山火事を経験した岐阜市でも、消防署員らが本番さながらの消火訓練を行いました。

■「岐阜城を守れ」本番さながらの訓練

岐阜市の金華山で28日、山林火災への対応の訓練が行われました。空気が乾燥する時期に行われる恒例の訓練ですが、今年は一層の緊張感が漂います。

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「今、岩手県の方で大規模な火災が発生しています。そういったことを皆さん踏まえながら本日の訓練を」

隊員らは登山道に100本以上のホースをつなぐと、山頂にそびえる岐阜城の周辺に放水したほか、県の防災航空隊によるヘリコプターでの消火訓練も行われました。

28日正午過ぎには長野県上田市でも山林火災が発生し、男性1人がケガをしています。本番さながらの真剣な訓練は、岩手県の火災だけが理由ではありません。

■2002年には岐阜でも…住民に残る"当時の記憶"

記録的な空気の乾燥が続いていた2002年4月。岐阜市東部の権現山で山林火災が発生しました。

付近の住民1000世帯以上に避難勧告が出され、避難所も開設されました。

避難した住民(当時):
予想外です。生まれて初めて、こうして避難するのは。

火は各務原市や関市まで広がり、あわせておよそ400ヘクタールが焼けました。

住宅に迫った炎の記憶は、住民たちの間に強く残っています。

近隣住民A:
みんな下におりていった。燃えたらいかんから。おばあさんを抱えとったで(大変だった)。山火事は広がるから怖いね。

近隣住民B:
焼け焦げたにおいがありました。大変だった。立ち木になっているのは燃えた跡だと思います。

28日の訓練で全体を監督した山田俊彦消防司令長も、当時30代で現場に出た隊員でした。

山田俊彦消防司令長:
現場が火の海で、どのように消火していいか全く分からないような状況でございました。山を登ってホースをのばす大変さもございました。

2002年の火災で多くの教訓を得られたという山田消防指令長は、改めて市民に火災への注意を呼びかけます。

山田俊彦消防司令長:
大変でしたね。ただ、いい教訓も得られました。空気が乾燥し火災が発生しやすいシーズンにおきましては、意図に反して火が広がることがございますので、火の元には十分注意していただきたいと思っています。

(東海テレビ)

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