勝負の2025年シーズンで日本一へ

「その全ては、勝つために。」を今年のチームスローガンに掲げ、スタートした春季キャンプ。
石垣島組には高卒2年目の木村優人、早坂響、寺地隆成、育成の武内涼太の4選手が参加した。荻野貴司(39)、角中勝也(37)、澤村拓一(36)、益田直也(35)などベテラン組は都城からのスタート。
その中で目立っていたのが若手投手陣と優勝するために欠かせない和製大砲候補だ。

球団は2021年に設定した「VISION 2025」と言う目標がある。地域との共生やブランド力の向上など、2025年までに日本一を獲得して常勝軍団を作り出すビッグプランだ。
1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝、2010年以来の日本一を達成するために「VISION 2025」の最終章が始まる。

ファンを魅了するゴールデンルーキー・西川史礁

今キャンプ一番の注目は2球団が競合したドラフト1位ルーキーの西川史礁(21)。
2024年3月に大学生ながら侍ジャパントップチームに選出され、オーストラリア相手に2安打を放つなど注目を浴びた右の長距離砲だ。

ドラフト1位ルーキー・西川史礁選手
ドラフト1位ルーキー・西川史礁選手
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キャンプ3日目に行われた初の屋外フリー打撃では、弾丸ライナーでバックスクリーンを直撃する驚愕の一発を放つなど93スイングで13本の柵越えを披露し能力の高さを見せた。

初の実戦デビューとなった2月11日の紅白戦では1番でスタメン出場すると、第2打席に149キロの直球をセンター前にはじき返しプロ初安打をマーク。

自身の持ち味に挙げていた強みは「どんな投手でもファーストアクションで合わせることができること」。
「プロの投手は甘い球が来ないし、来た一球を捉えられるように練習している」と語っていたが、早速、プロの投手相手でも結果を残した。

1年目は新人王を目標にしている西川に、独占取材で成績を予想してもらうと、「打率:3割以上、本塁打:10本、打点:80」と語ってくれた。

インタビューに答える西川史礁選手
インタビューに答える西川史礁選手

本塁打が出にくいZOZOマリンでどんな成績を残すのか注目だ。

西川史礁:
まずは開幕のレギュラーを獲ることが目標。即戦力で期待していただいてるからには、その中で1年間戦い抜いて143試合出場するという覚悟を持って、最終的には新人王を獲れるように強い気持ちでやっていきたい

さらに西川はファン対応も超一流。
全体練習後もバットを振り続けている西川だが、練習が終わるのが遅くなっても、帰りの車に乗る前にファンにサインを求められると、「僕に会いに来てくれた人がいるかも知れないので」と丁寧にファン対応をしている姿が印象に残った。

ファン対応する西川選手
ファン対応する西川選手

佐々木朗希が抜けた穴を埋めるのはFA戦士&高卒2年目の逸材

球団の顔だった“令和の怪物”佐々木朗希(23)がMLBに挑戦するためドジャースに移籍。
その佐々木の穴を埋めるべく獲得したのが、ソフトバンクからFA移籍した石川柊太(33)。

石川は本拠地となるZOZOマリンスタジアムで2017年8月に負けて以降、7年間で7連勝中。昨季も3試合の登板で2勝0敗、防御率0.00と相性抜群。
石川の最大の武器はマリン特有の強い風で威力が増すパワーカーブ。その代名詞に加え自主トレ期間中から習得を目指しているのが中指を立てて投げる「キックチェンジ」だ。

ソフトバンクから移籍した石川柊太投手
ソフトバンクから移籍した石川柊太投手

その手ごたえを石川に聞いてみると…

石川柊太:
投げ感は悪くないんですけど、(バッターに)投げてみてどうなるか。空振りが取れる球っていうのを目指して頑張りたい

新たな球種を加えたFA戦士に注目だ。

昨季、一軍も経験した3年目の田中晴也(20)は紅白戦から好投し、18日のヤクルト戦ではストレートを中心に3回をパーフェクトに抑えるピッチングを見せた。

田中晴也​:
しっかりゾーンの中に自分のストレートを集めることができたのですごく良かった。(開幕ローテ入りへ)勝負は始まっていると思う。とにかく自分の投球をした上でアピールしていきたいです

そして、高卒2年目ながら主力の髙部瑛斗、藤岡裕大から連続三振を奪った逸材が木村優人(19)だ。

高卒2年目の逸材 木村優人投手
高卒2年目の逸材 木村優人投手

木村優人:
今年は一軍で登板、初勝利を目標に頑張っていきたい

木村は霞ケ浦高から2023年ドラフト3位でロッテに入団。1年目の昨季は11試合に登板して、防御率2.37。
ファンが期待する2年目右腕は今季、一軍で何試合に登板するのか。佐々木朗希の後継者はこの男になるかもしれない。

助っ人頼みの打線を変えろ!「和製大砲候補の覚悟」

現在、チームの一番の課題となっているのが長打力。

昨季の本塁打数はリーグ3位の75本だったが、ポランコが23本、ソトが21本で、日本人の最多本塁打は岡大海(33)の7本だった。
和製大砲の登場が待たれるが、そんな中、期待されているのがフリー打撃でドラフト1位・西川と同じ組に入った山口航輝(24)と山本大斗(22)の2人だ。

和製大砲候補の山口航輝選手
和製大砲候補の山口航輝選手

今季飛躍が期待される山本は西川と同学年で、昨季はイースタンリーグで本塁打と打点の2冠に輝いた大砲候補。

もう一人の和製大砲候補 山本大斗選手
もう一人の和製大砲候補 山本大斗選手

山本は全体練習が終わった後の居残り練習でも、キャンプ初日からほとんど毎日バットを振り続けており、今季に懸ける思いが伝わってくる。

22日にオープン戦1号を放ち、今季レギュラー奪取を狙う山本は…。

山本大斗:
外野手争いがすごいんで全員意識している。自分が一つのポジションを奪う気持ちでやっている。

和製大砲候補の覚悟が、1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝、2010年以来の日本一を一気に引き寄せるかもしれない。

(文・鹿島大夢)

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