23日、兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調査する百条委員会のメンバーだった、日本維新の会の増山誠県議、岸口実県議、同じく維新の白井孝明県議の3人が相次いで謝罪しました。

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増山県議と岸口県議は2024年、兵庫県知事選挙のさなか、NHK党の立花孝志党首に非公開の音声データや真偽不明の文書を提供。白井県議は、電話で立花氏とやりとりをしたことが明らかになっています。

その後、立花氏は提供された真偽不明の情報をSNSで拡散。斎藤知事の再選を後押しする形となりました。

増山誠県議:
立花氏の発信力という点において、非常に発信力のある方ですので、この方にお伝えすることによって、県民の皆さまが知ることができるのではないかというふうに考えたところから、立花氏への提供をさせていただいたということでございます。

――情報の発信力でいうと、吉村代表も発信力あると思いますがなぜ立花さんを頼ろうと?
私の中では発信力があるのが立花さんだったので。

また、知事選の期間中、立花氏が「斎藤知事失職の黒幕」などと批判していた、竹内英明元県議に対して、SNS上で誹謗(ひぼう)中傷が相次ぎ、竹内氏は県議を辞職。1月、自宅で死亡しました。

竹内氏への誹謗中傷のキッカケともなったのが、「元県議告発文書問題の黒幕」などと書かれた真偽不明の文書。その文書が、立花氏に手渡された場にいたのが、岸口県議でした。

日本維新の会 岸口実県議:
文書自体が正直なところ、どなたが作成されたのかは、私は知り得ませんでした。(立花氏に)お会いしたことがね、軽率であったと私自身は今思っているところであります。

この会見の後、維新の会は調査結果を発表し、増山県議に関して、「極めて不適切な行為があった」として謝罪。兵庫維新の会は、岸口実県議とあわせ、24日以降に処分を発表する方針です。

維新を立ち上げ、過去には代表も務めていた橋下徹弁護士は、「めざまし8」で現在の胸中を語りました。

橋下徹弁護士:
10年前に維新を辞めて、僕は党員でも何でもないんですけれども、ただ15年前に“維新をつくった”という意味では、これはもう責任を感じています。こういう集団になってしまったと…。本当に残念だし、有権者の皆さまには本当に申し訳なく思っています。

僕が聞くところによると、(代表の)吉村氏は「こんな情報は表に出せない、きちんと裏が取れているものでもない」と。直接かどうかは分からないのですが、そういう話が執行部、中枢部にもいっていたところもあるのですが、維新としてはこれは出せないという判断の中で、増山さんが立花さんを頼ったのだと思います。

「自分たちの利益のために」情報提供か

さらに橋下氏は、マスメディアも本来秘密のものを、公共性・公益性にのっとって報じているとした上で、今回の問題点についてこう述べました。

橋下徹弁護士:
今回、増山さんや岸口さん、何が問題かというと、ルール違反をした、秘密のものを出したということに限らず、「自分たちの利益のためにやった」というところが一番の問題です。これは、斎藤さんを当選させる、増山さんや岸口さんは斎藤さんを当選させたいと思っていた。斎藤さんを当選させることが、自分たちの政治的利益になるということで、この秘密の情報を出してきた、“真偽不明の怪文書”を出してきたということが一番重要で、「秘密のものを全部報じたらダメなんだ」ということをやってしまうと、報道ということも成り立たなくなってしまうと思うんです。

MC谷原章介:
橋下さんがおっしゃるように、何でもかんでも秘密を暴露することをダメとしていては、報道ができないという意見もありますけれども、ただ今回、こうやって情報を提供した、増山・岸口両県議というのは、百条委員会できちんと、斎藤知事のことで問題があったと、それを確かめる立場にいながらそれを暴露していく。
しかも、これって今回のことで竹内議員は亡くなっている。今回の問題ではすでに3人くらいの方が亡くなっていて、すごく重い事態だと思うんですよ。

長谷川ミラ氏:
人が亡くなっている、かなりセンシティブに扱わなければいけない、だからこその百条委員会や第三者委員会で。こういった問題というのは、選挙とSNSというのが本当にセットになってしまっている時代なので。ただ、これ(事実かどうかを確認する)ファクトチェックという意味では、今まではテレビや報道機関がある程度(ファクトチェックを)した上で関係者というくくりで出していたものが、そこのファクトチェックをせずに出て行く可能性があると。

ジャーナリスト 風間晋氏:
(維新関係者で)発信力というなら、「橋下徹さん」ですよ。でも、橋下さんには話を持ってこないというのは、「ダメだそんなの、やめろ」と言われるのが分かっているから持ってこない。そういうふうにやるということは、本人たちが何か後ろめたさを感じながらやっていたということの証左みたいなものじゃないですか。

橋下徹弁護士:
もちろんそうです、本来なら自分たちで会見を開けばいいだけだし、自分たちでネットを使ってやればいいんだけども、そこは立花さんに頼ったというのは。
この人たちは、自分たちが情報提供しているにもかかわらず、インタビューでは何か人ごとのように「情報が漏れてしまいましたよね」と答えていましたよね?自分たちで発信するというなら自分たちの名前を明かせばいいのに、それをしなかったということは、何か後ろめたさがあったのでしょうね。
(めざまし8 2月24日放送)