神戸市の市街地で門扉に「石」が置かれる事案が多発。
窃盗グループが目印に使っている可能性もあり、警察が警戒を強めている。
■【動画で見る】家の門扉に「不審な石ころ」窃盗グループの“マーキング”か
どういう場所で起きているのか、現場を取材した。

記者リポート:とても閑静な住宅街で、車通りも多くはなく、新しく建てられた家と古い家が混在しているような地域です。
神戸市垂水区の落ち着いた住宅街を、いま不安が襲っている。その要因は「石」だ。

事案が発覚したのは1月29日。この地域に住む女性から警察に110番通報があった。

通報した女性:若い男2人が家のインターホンを鳴らし、門扉を勝手に開けようとしていました。
男がいなくなったのを確認した女性が、外に出て見つけたのは、門の上に置かれた不審な石。
■「なんでこんなところに石があるんや」門の上に石を見つけた住民
この地域で取材を進めると、最近、家の門の上に「不審な石が置かれていた」という人に話を聞くことができた。

門に石が置かれていた住民:なんでこんなところに石があるんやろって思って。郵便箱の中に入れたんやけど。見せてあげよか。この石や。
住人によると、石は簡単に落ちやすい所に置いてあった。
門に石が置かれていた住民:動いたら落ちてしまうところに置いているという話もあるから…
(Q.こんなところに自分では石を置かないですよね?)
門に石が置かれていた住民:そうやん。それで不思議やなって思った、こんなもん。
住人は警察に通報。すると警察から告げられたのは、「窃盗グループによるマーキングの可能性」。窃盗グループが人の出入りを確認している可能性があるというのだ。
門に石が置かれていた住民:変な男の人がよう通るよ、独り者。こんなとこ男の人が近所の人以外が通るわけないねん。
住人は新たに「防犯カメラ」を設置するなど、対策を始めた。
■「昔から組織的に行われている手法」と専門家
警察によると付近では1月29日から2月10日までに、似たような事案が19件確認されているということだ。

防犯対策に詳しい専門家は「昔から組織的に行われている手法」だと話す。
防犯アドバイザー 京師美佳さん:本当に古典的な手法になります。タバコ、つまようじ、そういったものを玄関前に置いて、片づけられる時間、またドアが開いて移動した時間などを確認して空き巣とかが悪用する技でした。

防犯アドバイザー 京師美佳さん:『マーキング』で、文字が書かれているとか、シールが貼られているのは、ある程度報道されていて、皆さん知っているんですね。古典的な方法を使って、逆にみなさんが意識しないようにマーキングをしている可能性はあります。
危険を示す不審な石。 警察は「不審な石を見つけた際は110番をお願いします」と注意を呼びかけている。
■不審なものを見つけた際は「110番」「#9110」に相談を
家の門などの前に不審な石は、犯罪の予兆なのだろうか。
防犯アドバイザーの京師美佳さんによると、
・犯罪組織が下見で石を置いて、仲間と情報共有をしている可能性もある。
・富裕層の家だけではなく、一般家庭や郊外の住宅もターゲットになり得る。

このような石を見つけてもSNSへの投稿はしないように。個人情報の特定につながってしまうという。
石など不審なものを見つけた際は、写真を撮って警察に110番通報、または警察相談ダイヤル「#9110」にご相談を。

マーキングの手口もいろいろあり、変化しているということだ。
大阪大学大学院 安田洋祐教授:今回の住宅街でいうと、普段通らない若い男の人がいたという住民の声もあり、不審者がいかにもそれっぽい形で置いていったのかなという気がします。
大阪大学大学院 安田洋祐教授:けれども、例えば作業員とか配達員の服装をして、都市部とかでマーキングしていると全然怪しくないじゃないですか。誰か怪しい人に気づくことができればいいんですけれど、本当に家の前で異変が起きたらすぐに対処しないといけないと思いました。

関西テレビ 神崎博報道デスク:家に長くいる方は内側からしか見てないことが多かいかもしれませんが、一度外出から戻るタイミングなどでいいので、家の外側にもおかしいことがないか気にしてもらいたい。石が置いてあったり、虫の死骸であったり、シールが貼ってあったり、文字が書いてあったりとかするかもしれない。
関西テレビ 神崎博報道デスク:家の外側、勝手口とかも含めて、ぐるっと回って、何か異常がないか確認してもらいたいと思います。
ちょっとでもおかしいことがあれば、警察相談ダイヤル「#9110」や、110番でも相談を受け付けているということだ。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年2月11日放送)